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自分の為のBL
第5章 降り口は、進行方向左側。
…………………え。
俺は固まって状況を考える。
確かに聞こえた。
エリートサラリーマンの方向から。
初めて聞く声。だけどあの姿からシックリ来る、きっと彼の声だろうと思われた。
いやいや、でも待て。
そんな訳無いだろう。だって………何で??
苛立ちと不機嫌を含んだ声音で聞こえた言葉は、もしかしたら自分に向けられた物じゃないかもしれない。
きっと自意識過剰だと自分に言い聞かせながら、緊張の走った体をぎこちなく固めたまま、さらにコソッと声の方を確認してみる…