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自分の為のBL
第5章 降り口は、進行方向左側。
「着いたよ?降りよう!」
無駄に嬉しそうに腕を引かれて、このまま行くべきか行かぬべきか………
目の前の据え膳。
横からの強烈な視線はさっきよりも激しく不機嫌を伝えて来ている。
モヤモヤとしつつも引かれるがままに足を動かした。
女の子に恥かかせちゃいけないだろう。
とか
エリートサラリーマンは知らない人だし。
とか…
けど、明日からは気まずくて電車乗れないな。
とか……
このチャンスを、逃したら後は無いんだろうな。
とか………
ほんの1歩進める間に凄い勢いで思考が巡って行く。
流されて踏み出した1歩で、今後の人生が大きく変わるんじゃないか?!
何て壮大な妄想にまで膨らんだ時、駅のホームに両足が着地する。