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自分の為のBL
第5章 降り口は、進行方向左側。
ゆっくりと車窓の景色が動き出して、やがて鮮明で無くなる。
たまに、車内の明かりで葉っぱがチラチラと光っている所を見ると、外は藪だ。
そんな現実逃避をしてみても、ドアの前で名前も知らないエリートに抱きすくめられてる事実は変わらなくて…
何を言うべきか。
どうするべきなのか。
お礼?怒る?腕から無理矢理逃げ出す?どれも正解では無い気がする。
相手からの動きも無い為、頭の中だけフル回転させていたら、端と思い至った。
沢山は居ないとはいえ、それなりに乗っていた他の乗客から注目の的なんじゃないか…?
真っ赤なのか真っ青なのか解らないが、兎に角ドッと汗が吹き出した時、
頭の横からクククッと忍んだ笑いが聞こえてきた。
「あ~あ。すげぇバクバクしてる」
心底ホッとした様な声で、心なしか背中に掛かる体重が増した気もする。
確かにバクバクしてる…俺と同じ位。
くっついた背中から相手の鼓動もしっかり伝わってきて、何故だか急に親近感が湧いてしまった。
「寿命、縮まりました。もう少しで死にそうなんで…離して貰えませんか?」
たまに、車内の明かりで葉っぱがチラチラと光っている所を見ると、外は藪だ。
そんな現実逃避をしてみても、ドアの前で名前も知らないエリートに抱きすくめられてる事実は変わらなくて…
何を言うべきか。
どうするべきなのか。
お礼?怒る?腕から無理矢理逃げ出す?どれも正解では無い気がする。
相手からの動きも無い為、頭の中だけフル回転させていたら、端と思い至った。
沢山は居ないとはいえ、それなりに乗っていた他の乗客から注目の的なんじゃないか…?
真っ赤なのか真っ青なのか解らないが、兎に角ドッと汗が吹き出した時、
頭の横からクククッと忍んだ笑いが聞こえてきた。
「あ~あ。すげぇバクバクしてる」
心底ホッとした様な声で、心なしか背中に掛かる体重が増した気もする。
確かにバクバクしてる…俺と同じ位。
くっついた背中から相手の鼓動もしっかり伝わってきて、何故だか急に親近感が湧いてしまった。
「寿命、縮まりました。もう少しで死にそうなんで…離して貰えませんか?」