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春雷に君
第3章 思惑どおり

舌を絡ませながら器用に私の服を脱がせていく市崎くん。
自分で脱ぐから、という意味を込めて首を横に振りながら市崎くんの手に触れるけど止まることはなく、あっという間に下着姿にされた。

私を抱き寄せながら当たり前のようにショーツのクロッチを触り、すでに濡れてることに気づいた市崎くんにショーツを脱がされる。

「……濡れてるね。とりあえず、お風呂」

浴室に連れていかれてからは至れり尽くせりコースが待っていた。
髪も体もやさしく洗ってもらえた上に、借りたTシャツを着せてもらって髪まで乾かしてもらって。

俺も軽く浴びてくるから待ってて、と水のペットボトルを渡されて寝室のベッドの上に寝転がされてからは軽く拷問状態。

――ああ……市崎くんの匂い……。

ベッドはもちろん、Tシャツからも市崎くんの匂いがしてムラムラが止まらない。
早く抱きしめられたい……と思いながら枕をぎゅうううと抱きしめていると、ガチャリとドアが開く。
バスタオルを腰に巻いた市崎くんが私の姿を見て微笑み、ベッドの端に腰かけて手招きする。

「藤崎、おいで」

そろりそろりと近づいていき、背中へ腕を回すようにして体をくっつけると、ぎゅうううと強く抱きしめられた。
少し苦しいけど、それさえも快感に変わる。

「会えて嬉しい」

「うん……」

「俺に会いたくて、電話してくれたの?」

「うん……」

「そっか」

頬や耳にチュッ、チュッ、と軽く口づけされてくすぐったい。

「さっき……駅でさ、声かけられたかって聞いた理由わかる?」

「……わかんない」

「あのとき藤崎が、めちゃくちゃかわいい顔してたからなんだよね」

「ええ……?」

「欲情したような顔で俺をじっと見てるからさ、ドキドキした。でもすぐ、そのへんの男に見られたんじゃないかって心配になって早くウチに連れていこうって思って」

――なるほど。だから急に黙ったんだ。

「何で、あんな顔してたの?」

「何でって……」

「セフレの男と会ったあとだったから?」

服の上から背中やお尻を撫でられる。

「ちが……う。市崎くんのせい……」

「俺のせい?」

何のことかわからないと言うように市崎くんがキョトン顔をする。

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