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花の香りに酔う如く
第2章 月下美人の夜②〜律

沙羅ちゃんは、まだ目に涙を浮かべていた。
僕は慌てて、そっと涙を指先で拭ってあげると、
天使みたいな顔でにっこりと笑った。
「りつ…お兄様?
私、沙羅です」と小さい声で言って、
僕の手をギュッと握り締めた。
物凄く小さい手が、
とても頼りなくて可愛い。
でも、遊んであげるっていっても、
何をして良いかも判らなくて、
途方に暮れてしまうと、
慧兄さんが空の絵本を手に客間に入って来た。
「沙羅ちゃん。
これ、一緒に読もうか?」と兄さんが言うと、
沙羅ちゃんはキラキラした顔で慧兄さんと絵本を見て、
握っていた僕の手を離してしまった。
そうだよね?
僕なんかより、
カッコ良い慧兄さんの方が良いに決まってる。
僕はそう思って、そっと立ち上がった。
フワリ。
少しだけ開き始めた月下美人の香りが揺れたような気がして、
振り返ると、
沙羅ちゃんと目が合った。
僕は少しだけお辞儀をして、
そのまま黙って部屋を出た。
それが、僕が初めて沙羅ちゃんと会った夜で、
沙羅ちゃんのことを考えると、
反射的に月下美人の香りも思い出すようになった。
普段は全く花の気配も香りもないのに、
出会った時だけ、
忘れられないような香りを放つ月下美人。
僕はその夜、
多分、物凄くエロい夢を見て、
初めて夢精してしまった。
小学校6年の僕は、
それに戸惑った。
多分、月下美人の香りのせいだ。
そう思った。
流石に幼稚園児の沙羅ちゃんに欲情したハズもないし、
どんな夢だったのかも覚えていなかった。
でも、月下美人の香りは、
それほど印象が強くて、
甘く濃厚で、
とても淫靡なものに思えて、
その花が咲く夜はいつも恥ずかしさを隠すように、
部屋に篭ってしまうようになった。
そして、毎年、
少しずつ大きくなっていっても可愛らしい沙羅ちゃんのことを思いながら自慰をする自分は、
とんでもないロリコンなんじゃないかと思って、
物凄く恥じていたから、
毎週土曜日にお茶の稽古に来る沙羅ちゃん達を避けるようにコソコソしていた。
僕は慌てて、そっと涙を指先で拭ってあげると、
天使みたいな顔でにっこりと笑った。
「りつ…お兄様?
私、沙羅です」と小さい声で言って、
僕の手をギュッと握り締めた。
物凄く小さい手が、
とても頼りなくて可愛い。
でも、遊んであげるっていっても、
何をして良いかも判らなくて、
途方に暮れてしまうと、
慧兄さんが空の絵本を手に客間に入って来た。
「沙羅ちゃん。
これ、一緒に読もうか?」と兄さんが言うと、
沙羅ちゃんはキラキラした顔で慧兄さんと絵本を見て、
握っていた僕の手を離してしまった。
そうだよね?
僕なんかより、
カッコ良い慧兄さんの方が良いに決まってる。
僕はそう思って、そっと立ち上がった。
フワリ。
少しだけ開き始めた月下美人の香りが揺れたような気がして、
振り返ると、
沙羅ちゃんと目が合った。
僕は少しだけお辞儀をして、
そのまま黙って部屋を出た。
それが、僕が初めて沙羅ちゃんと会った夜で、
沙羅ちゃんのことを考えると、
反射的に月下美人の香りも思い出すようになった。
普段は全く花の気配も香りもないのに、
出会った時だけ、
忘れられないような香りを放つ月下美人。
僕はその夜、
多分、物凄くエロい夢を見て、
初めて夢精してしまった。
小学校6年の僕は、
それに戸惑った。
多分、月下美人の香りのせいだ。
そう思った。
流石に幼稚園児の沙羅ちゃんに欲情したハズもないし、
どんな夢だったのかも覚えていなかった。
でも、月下美人の香りは、
それほど印象が強くて、
甘く濃厚で、
とても淫靡なものに思えて、
その花が咲く夜はいつも恥ずかしさを隠すように、
部屋に篭ってしまうようになった。
そして、毎年、
少しずつ大きくなっていっても可愛らしい沙羅ちゃんのことを思いながら自慰をする自分は、
とんでもないロリコンなんじゃないかと思って、
物凄く恥じていたから、
毎週土曜日にお茶の稽古に来る沙羅ちゃん達を避けるようにコソコソしていた。

