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花の香りに酔う如く
第16章 月下美人で授かる②〜律
長男の蓮は、夜泣きが酷くて、あまり眠らない子だった。

実家から戻ってきて、そのことを気遣ってくれたのか、
元々、沙羅ちゃんの部屋だった所を模様替えして、
沙羅ちゃんと蓮はそこで眠るようになった。

それで益々、僕と沙羅ちゃんの距離は離れてしまっていた。


そっと寝室に来てくれた時は、
最悪なことに僕はAVを観ながら抜いていたりしたから、
沙羅ちゃんはびっくりした顔をして、
蓮との寝室に戻ってしまったこともあった。


意を決したような顔で寝室に来てくれて、
僕のをそっと撫でて、
舐めてくれようとした時には、

「良いよ。
明日、早いし」と押しとどめてしまった。


沙羅ちゃんは哀しそうな顔で唇を噛み締めて、
涙を堪えていた。


僕は額にキスをして、
「ごめん」と言ったけど、
声が掠れてしまって、上手く言えているかも判らなかった。


実家の寺でのお茶の稽古を再開するようになり、
毎回、車で沙羅ちゃんと蓮を連れて行くようになる。


そして、あっという間に2年ほど経ってしまった。


実家の母や、沙羅ちゃんのお母様達が蓮の世話をするのをとても喜んでくれているし、
二人目って話をされるのが嫌で、
僕はいつもそそくさと帰り、
週末が終わる頃に迎えに行く感じだった。



セックスレス。


勿論、沙羅ちゃんも気にしている。


沙羅ちゃんも、自分でやってるのか。

外出はしないから、
浮気はしていない。


いや、東京の方の稽古では、
男子学生や大学時代の空手部の同窓生も通って来ているから、
こっそり浮気、してるんじゃないか?


そう思うと、嫉妬の気持ちが湧き起こった。

それと同時に、
他のオトコと寝ている沙羅ちゃんを思い浮かべて、
嫉妬とは違った感情も湧いてきている自分に気づいていた。


そんな沙羅ちゃんを観たい。


でも。





僕はおかしくなってるんだろうか。
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