この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
花の香りに酔う如く
第16章 月下美人で授かる②〜律

その日は生理痛が酷くて実家に帰りたいと言うので、
沙羅ちゃんと蓮を沙羅ちゃんの実家に送って、
僕は慧兄さんと話があるからと言って自分の実家に戻った。
濃厚な香りがどの部屋にも溢れ出ている処で過ごすのが辛かったのかもしれないと思う一方で、
慧兄さんと沙羅ちゃんが接近していくような想像をして、
余計に月下美人の香りに翻弄されてしまう。
嫉妬心というより、
絡まり合う二人を見たいという、倒錯した思いに、
困惑と興奮を覚えた。
僕は少し緊張した声で、
慧兄さんに話があると言った。
「どうした?」と静かに笑う慧兄さんは、
思ったより歳を取って、
枯れているように見えた。
沙羅ちゃんと蓮を沙羅ちゃんの実家に送って、
僕は慧兄さんと話があるからと言って自分の実家に戻った。
濃厚な香りがどの部屋にも溢れ出ている処で過ごすのが辛かったのかもしれないと思う一方で、
慧兄さんと沙羅ちゃんが接近していくような想像をして、
余計に月下美人の香りに翻弄されてしまう。
嫉妬心というより、
絡まり合う二人を見たいという、倒錯した思いに、
困惑と興奮を覚えた。
僕は少し緊張した声で、
慧兄さんに話があると言った。
「どうした?」と静かに笑う慧兄さんは、
思ったより歳を取って、
枯れているように見えた。

