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花の香りに酔う如く
第16章 月下美人で授かる②〜律

客間のテーブル越しに座ってはみたものの、
なんて言って良いのかも判らなくて黙り込んでしまう僕に、
慧兄さんは静かな声で切り出した。
「沙羅ちゃんのことかな?
なんだか、様子がおかしかったけど?」
さっきの光景が頭をよぎる。
沙羅ちゃんをそっと抱き締めていた慧兄さんの大きな手の平を見ながら、
僕も静かな声で話し始めた。
「勃たないんだ」
「えっ?」と、
慧兄さんが僕の顔を見る。
「沙羅ちゃんを抱きたくても、
いざという時になると萎えちゃって、
ずっとそういうこと、してないんだ」
「ずっとって?」
「蓮が産まれる前からずっとだよ。
最初は初めての妊娠で、
心配で…。
産まれた後は、なんていうか…。
聖母みたいに神聖な気がして…」
「ん。
判る気がする。
そうじゃなくても、
沙羅ちゃんはピュアで、なんか、
大切にしないといけない感じだからな」
「全く勃たなくなった訳じゃなくて、
ほら、AV女優で沙羅ちゃんに似てるヤツを観れば勃つし、
キスしたりハグしたりしても勃つんだけど、
挿れようとすると萎えちゃって、
ずっと出来なくて。
それが辛くて、
寝室も別で、
キスもしなくなって…」
「だからか。
さっき、沙羅ちゃんが、
思い詰めた顔で、
『私なんて、魅力、ないんですよね?』って言って泣き出したから、
驚いて『そんなことないよ?』って宥めてたんだよね」
「うん。
見てた」
「それと、母さんが、
次の子供は?って言うと、
物凄く辛そうな顔してたよ?」
「僕もそれ、
まいってるんだ」
冷めたお茶をグビリと飲み干して、
僕はとんでもないことを口にしていた。
「慧兄さん。
沙羅ちゃんと寝てくれないかな?」
慧兄さんは、
「えっ?」と言ったまま、
固まってしまっていた。
なんて言って良いのかも判らなくて黙り込んでしまう僕に、
慧兄さんは静かな声で切り出した。
「沙羅ちゃんのことかな?
なんだか、様子がおかしかったけど?」
さっきの光景が頭をよぎる。
沙羅ちゃんをそっと抱き締めていた慧兄さんの大きな手の平を見ながら、
僕も静かな声で話し始めた。
「勃たないんだ」
「えっ?」と、
慧兄さんが僕の顔を見る。
「沙羅ちゃんを抱きたくても、
いざという時になると萎えちゃって、
ずっとそういうこと、してないんだ」
「ずっとって?」
「蓮が産まれる前からずっとだよ。
最初は初めての妊娠で、
心配で…。
産まれた後は、なんていうか…。
聖母みたいに神聖な気がして…」
「ん。
判る気がする。
そうじゃなくても、
沙羅ちゃんはピュアで、なんか、
大切にしないといけない感じだからな」
「全く勃たなくなった訳じゃなくて、
ほら、AV女優で沙羅ちゃんに似てるヤツを観れば勃つし、
キスしたりハグしたりしても勃つんだけど、
挿れようとすると萎えちゃって、
ずっと出来なくて。
それが辛くて、
寝室も別で、
キスもしなくなって…」
「だからか。
さっき、沙羅ちゃんが、
思い詰めた顔で、
『私なんて、魅力、ないんですよね?』って言って泣き出したから、
驚いて『そんなことないよ?』って宥めてたんだよね」
「うん。
見てた」
「それと、母さんが、
次の子供は?って言うと、
物凄く辛そうな顔してたよ?」
「僕もそれ、
まいってるんだ」
冷めたお茶をグビリと飲み干して、
僕はとんでもないことを口にしていた。
「慧兄さん。
沙羅ちゃんと寝てくれないかな?」
慧兄さんは、
「えっ?」と言ったまま、
固まってしまっていた。

