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花の香りに酔う如く
第17章 伽羅の香りに包まれて①〜沙羅
「沙羅ちゃん、大丈夫?
落ち着いたかな?
そろそろ、夕食の時間じゃないかな?」と慧お兄様に言われて、
顔を見合わせて少し笑った。


「うん。
沙羅ちゃんはやっぱり、
笑顔が良いな。
まだ、鼻の頭と目が紅いかな?」と覗き込まれるようにされて、
恥ずかしく下を向いてしまうと、
ズキンと下腹部が痛んだ。


多分、表情に出てしまったみたいで、

「ん?
大丈夫?」と言われてしまう。


「大丈夫です。
そろそろ、律さんが迎えにきてくれてるかも」と言うと、
慧お兄様は立たせてくれて、

「じゃあ、母屋に戻ろうか?」と笑った。


私はそっと頷いて、

「お兄様、ありがとうございます」と小さく頭を下げた。




客間を覗くと、
実家の母と祖母も来ていて、
蓮くんを祖母が抱っこしていて、
律さんもソファに座っていた。

水野のお義父様は、
珍しく夏風邪をひいたようで、
こちらには来ていなかった。


月下美人が今夜にも咲くということで、
恒例行事という感じで賑わっていた。


割烹着を着て、お台所を手伝い始めたけど、
なんだか吐き気と頭痛がしてしまって、
お義母様に心配されて、
客間で座ってるように言われる。

生理になる直前の下腹部の痛さだと思ったけど、
貧血で立っていられないほどだった。


律さんが、
「大丈夫?
横になる?」と訊いてくれる。



「あら?
おめでたかしら?」と、呑気な声で祖母が笑うのを聴きながら、
顔が強張ってしまうし、
あまりの辛さに蹲ってしまった。


奥の部屋で少し横にならせてもらう間、
律さんがずっと付き添ってくれていた。


月下美人の香りが、
多分、余計に辛くて、

「今日は実家で休みたい」と律さんに言った。



それで、私と蓮くんだけ、律さんの車で実家に送って貰った。


律さんも一緒にお泊まりしてくれるのかと思ったけど、
慧お兄様と話があるからと、
お寺に引き返してしまった。


私は久し振りの実家の自室で、
蓮を寝かしつけながら、
薬を飲んでパジャマに着替えて丸まるように眠った。

母達が帰ってきたのにも気づかないほど、
深い眠りに落ちていた。


律さんが、慧お兄様と何の話をしているのかも考えられずに、
ただ、眠っていた。


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