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花の香りに酔う如く
第18章 伽羅の香りに包まれて②〜慧
「律!
本当に辞めないか。
沙羅ちゃん、困ってるよ?」


「えっと…。
一緒に寝るだけで良いですか?
私…眠たくて…」と言いながら、
突然、沙羅ちゃんがクタリという感じで横になってしまった。


律と目を合わせてから、
二人で笑ってしまった。


「変態みたいなこと、思い切って言ったんだけど、
ひょっとして、沙羅、途中から寝てたのかな?」


「うん。
最後のセリフからすると、
話、どこまで聴いてたのか…。
って、律!
お前、なんてこと、言ったんだよ?」


「いや、本心だよ。
慧兄さん、このまま、沙羅と寝て?
セックスしても良いよ。
兄さんなら…。
その代わり、隣で観てる。
それで、こっちがカチカチになってくれたら、
挿れさせて?
そうでもしないと、出来ないんだ。
情けないけど。
それとさ。
今日から明日くらいが、
排卵日のはずだから」


そう言うと、律は沙羅ちゃんを抱き上げたので、
僕は慌てて立ち上がって襖を開けた。


広い和室には、二組の布団が敷いてあった。



さっき、沙羅ちゃんが歯磨きしに立っていたのを思い出して、

「ちょっと歯磨き、してくる」と言うと、
律もついてくる。


二人、並んで歯磨きをして、
同時に冷たい水で顔を洗って、
鏡越しで見つめ合った。



「本当に、良いのか?
沙羅ちゃん、苦しまないのか?」と言うと、

「どっちでも良いから、
沙羅を孕ませよう。
産まれてくる子供は、
沙羅の子供なんだから、
父親がどちらだって構わない。
大切にするから。
まあ、どっちも勃たなくて役立たないかもしれないけど、
沙羅をせめて、気持ち良くさせてやりたい」と律が言った。


二人、黙って頷くと、
寝室へと戻った。
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