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花の香りに酔う如く
第19章 伽羅の香りに包まれて③〜律
目が覚めて手で隣を探ると、
そこに居るはずの沙羅ちゃんが居なくて、
その向こうに慧兄さんが泥のように眠っていて、
焦って飛び起きた。


その気配で、兄さんも目が覚める。


まだ、時間が早くて、
静かな朝だった。



「沙羅ちゃん?
沙羅ちゃん、何処?」


部屋の中を探していると、
浴室の方で水音がした。


慌ててドアを開けると、
沙羅ちゃんがあどけない顔をして、
浴槽にお湯を貯めていた。


「律さん、おはようございます。
あ、お兄様もおはようございます。
朝風呂、するかしらと思って、
お湯を貯めてたんです。
あっちの露天風呂の方は、もう、お湯、たっぷりになってますよ」


僕は沙羅ちゃんを抱き締めながら泣いていた。


「律さん?
どうしたんです?」

「何処かに行っちゃったのかと思って…」

「やだ。
律さん、可笑しいですよ?」と笑うと、

「二人とも、ちょっと、
浴衣、直してください」と、
頬を紅くする。


二人とも慌てて羽織っただけで、
パンツも履いてなくて、
兄さんと顔を合わせて笑ってしまった。


「お先にどうぞ?」と沙羅ちゃんが言う。


「広いから三人で入ろうよ」と僕が言うと、

「えっ?
やだ。
恥ずかしいです」と言うので、

「手拭いで隠して入れば?」と言って、
手拭いを渡してあげる。


沙羅ちゃんは、耳まで紅くしながら、
手を引かれて一緒に露天風呂に行く。


兄さんは遠慮したのか、

「こっちの内風呂、
使わせて貰うから」と言うので、
ひとまず、沙羅ちゃんと二人、身体を洗い合った。


沙羅ちゃんの胸には、
どちらがつけたのか判らない花弁が散っていた。


両脚の間をそっと洗ってあげながら、

「痛くない?」と訊くと、
恥ずかしそうに俯いて、

「大丈夫です」と呟くように言った。


僕は沙羅ちゃんを包み込むように抱き締めてからそっと額にキスをして、
二人で湯船に浸かった。


後ろから沙羅ちゃんを抱き締めながら、
頸筋にキスをすると、
くすぐったい言いながらクスクス笑う。


「兄さんも、こっちに来れば?
露天で気持ち良いよ?」と声を掛けると、
沙羅ちゃんが手拭いで前を隠して顔を紅くした。


慧兄さんがゆっくりと露天風呂の方にやって来た時、
沙羅ちゃんの顔は本当に真っ赤になっていた。

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