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花の香りに酔う如く
第19章 伽羅の香りに包まれて③〜律
慧兄さんも手拭いで股間を隠しながら、

「失礼するよ?」と言いながら湯船に入って来た。


暫く鳥の囀りや葉音を聴きながら、
のんびりお湯に浸かっていると、
沙羅ちゃんが恥ずかしそうに話を始めた。


「あのね…。
なんだか、とても生々しくて…エッチな夢を観ちゃいました」


「えっ?」と、
僕と兄さんが沙羅ちゃんを観ると、
沙羅ちゃんは耳を紅くして、下を向く。


「二人にキスをされたり…、
抱き締められたりしてたの」


僕は沙羅ちゃんを後ろから抱き締めながら、

「気持ち良かった?」と囁くと、
沙羅ちゃんは本当に恥ずかしそうに頷くと、

「あれって…夢じゃなかったの?」と呟いた。


沙羅ちゃん越しに兄さんを観ると、
兄さんは固まってしまっている。



夢にしてしまおうか?

そんなことも考えたけど、
誤魔化したりするのは辞めようと思った僕は、
沙羅ちゃんにゆっくり言った。


「夢じゃないよ?
沙羅ちゃんを気持ち良くしてあげたかったし、
そうでもしないと勃たなかったから」と、
耳朶を軽く噛みながら言った。



「律さん、嫌じゃないの?
お兄様とは言っても、
別のヒトと私が…」
と言う唇にキスをして、言葉を止める。


「誰でも良いって訳じゃないよ。
兄さんだから。
慧兄さんは、ずっと沙羅ちゃんのことが好きだったし、
沙羅ちゃんもそうでしょ?」



「好きだったけど、
沙羅は律さんと結婚してるのよ?」


「ほら。
勃たないと、コドモ、出来ないしさ。
こうすることで勃って、射精も出来たし、
沙羅ちゃんの産む赤ちゃんなら、
どっちのコドモだって、愛せると思ったから」



沙羅ちゃんは僕と兄さんを交互に観て口を閉ざしてしまう。



「沙羅ちゃんが嫌な気持ちになってるなら、
夢だったってことで。
僕はまた、本山に戻れば、
会うことも殆どなくなるし。
夢のように幸せだったよ。
沙羅ちゃん、ありがとう」と、
兄さんは涙ぐみながら言って、
沙羅ちゃんの手を握ると、
手拭いが揺らいで外れてしまって、
また、兄さんの股間が硬くなっているのが見えた。
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