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花の香りに酔う如く
第3章 モッコウバラのキス①〜沙羅

お寺の朝はとても早い。
居候の身なので、
ダラダラと1人、寝ているのも恥ずかしくて、
毎朝、頑張って起きてみるけど、
2人ともいつも、きちんと作務衣か着物姿で読経していた。
せめて…と思って、
朝ご飯を作るようにしてみた。
たいしたものは作れないけど、
「一汁一菜が基本だよ」と言われて、
少し安心しながら、
具沢山のお味噌汁の適当なおかず、
それと糠漬けを切って出すようにしていた。
律お兄様と一緒に、
常備菜になるようなものを昼間に作って、
タッパーに入れるようにしたら、
朝ご飯だけじゃなくて、お昼も夜もそれで充分だと言われた。
お兄様がお料理上手なのもびっくりしたけど、
「いや、それも修行の一つだし、
実家で手伝ってたしね?」と笑うお兄様に、
「あら!
空くんなんて、本当に何もしないでしょう?」と言うと、
「空は末っ子で、甘やかされてたからな。
一人暮らししたら、やるようになるよ」と優しい顔で笑った。
お兄様とスーパーマーケットに食材を買いに行くのも楽しくて、
少しはお役に立ててるのかなと思うとかなり嬉しかった。
「なんか、新婚さんみたい?」と言うと、
お兄様は紅い顔をした。
お彼岸はとても忙しそうで、
私は何も出来なかったけど、
お料理とかお茶出しなんかを手伝ったりして過ごした。
土曜日には実家に戻ってお茶とお華のお稽古をして、
翌朝、教会の礼拝をしてからお寺に戻った。
持ち帰ったお花を生けると、
住職がいつも、
「綺麗だな」と褒めてくれた。
あっという間に春休みが終わって、
入学式には両親の他に、
水野住職とお兄様も来てくれた。
お兄様が大学構内をあちこち、
教えながら歩いてくれたけど、
方向音痴な私はさっぱり覚えられなかった。
帰りに5人で食事をして、
レストランの前で別れてお寺に戻った。
なんだか長い1日だった。
居候の身なので、
ダラダラと1人、寝ているのも恥ずかしくて、
毎朝、頑張って起きてみるけど、
2人ともいつも、きちんと作務衣か着物姿で読経していた。
せめて…と思って、
朝ご飯を作るようにしてみた。
たいしたものは作れないけど、
「一汁一菜が基本だよ」と言われて、
少し安心しながら、
具沢山のお味噌汁の適当なおかず、
それと糠漬けを切って出すようにしていた。
律お兄様と一緒に、
常備菜になるようなものを昼間に作って、
タッパーに入れるようにしたら、
朝ご飯だけじゃなくて、お昼も夜もそれで充分だと言われた。
お兄様がお料理上手なのもびっくりしたけど、
「いや、それも修行の一つだし、
実家で手伝ってたしね?」と笑うお兄様に、
「あら!
空くんなんて、本当に何もしないでしょう?」と言うと、
「空は末っ子で、甘やかされてたからな。
一人暮らししたら、やるようになるよ」と優しい顔で笑った。
お兄様とスーパーマーケットに食材を買いに行くのも楽しくて、
少しはお役に立ててるのかなと思うとかなり嬉しかった。
「なんか、新婚さんみたい?」と言うと、
お兄様は紅い顔をした。
お彼岸はとても忙しそうで、
私は何も出来なかったけど、
お料理とかお茶出しなんかを手伝ったりして過ごした。
土曜日には実家に戻ってお茶とお華のお稽古をして、
翌朝、教会の礼拝をしてからお寺に戻った。
持ち帰ったお花を生けると、
住職がいつも、
「綺麗だな」と褒めてくれた。
あっという間に春休みが終わって、
入学式には両親の他に、
水野住職とお兄様も来てくれた。
お兄様が大学構内をあちこち、
教えながら歩いてくれたけど、
方向音痴な私はさっぱり覚えられなかった。
帰りに5人で食事をして、
レストランの前で別れてお寺に戻った。
なんだか長い1日だった。

