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花の香りに酔う如く
第3章 モッコウバラのキス①〜沙羅

「律お兄様、あのね。
大学の図書館に寄ってから帰ろうと思ったら、
知らないヒトに声を掛けられたの。
『お茶しよう』って。
断ってそのまま帰ろうとしたら、
手首掴まれて、
そのまま、羽交締めするみたいに校舎の陰まで引っ張られて…」
「えっ?」
「無理矢理、顔を押さえて、
キスしようとしたの」
お兄様が固まってる。
「空くんが、
『男子はエロいことばかり考えてるから気をつけろ』って言ってたの、
そういうことなの?」と言葉にしていたら、
また、涙が出てきてしまう。
「大丈夫だった?
キスされて、
それ以上のこと、されたの?」と、
私の両肩に手を置いて、
私のことを心配そうに見つめた。
「えっ?
それ以上のことって?」
「えっ?
えっと…」
「お兄様、大丈夫。
沙羅ね。
合気道とか空手、習ってたから。
最初、びっくりして怖かったけど、
股間を思い切り膝蹴りしながら、
振り解いて逃げたの。
正門出て、すぐにタクシーに乗って、
振り返ったけど、誰も追い掛けて来なかったし。
でも、怖くて震えちゃった。
あんなヒトが、うちの大学に居るなんて…」
律お兄様は、
私を抱き締めて、
「何もなくて良かった」と言った。
あれ?って思ってお兄様を見たら、
私の頬にお兄様の涙が落ちた。
「お兄様?」
「沙羅ちゃんが何もなくて、
本当に良かった。
大学は、結構、誰でも入れるし、
東大の女子なんて真面目で騙せるからって、
他の大学のヤツとか、
なんなら一般のヤツとかも入ってきて、
ナンパしたのかもな」と笑った。
「沙羅のファーストキス、
ちゃんと守れて良かった。
あんなの、最低最悪だもん」と言うと、
「えっ?」とお兄様は言った。
「その…。
空としてたんじゃないの?
付き合ってたよね?」
「えっ?
空くんと?
まさか?」
「そうなの?
だって、小さい頃から仲良かったし…」
「空くんなんて、
私のこと、意地悪ばかりしてたもん。
沙羅、それより、慧お兄様が好きだったのに…。
お嫁さんにしてくれるって言ってたのに、
結婚しちゃったから…」と言うと、
律お兄様は笑い出した。
大学の図書館に寄ってから帰ろうと思ったら、
知らないヒトに声を掛けられたの。
『お茶しよう』って。
断ってそのまま帰ろうとしたら、
手首掴まれて、
そのまま、羽交締めするみたいに校舎の陰まで引っ張られて…」
「えっ?」
「無理矢理、顔を押さえて、
キスしようとしたの」
お兄様が固まってる。
「空くんが、
『男子はエロいことばかり考えてるから気をつけろ』って言ってたの、
そういうことなの?」と言葉にしていたら、
また、涙が出てきてしまう。
「大丈夫だった?
キスされて、
それ以上のこと、されたの?」と、
私の両肩に手を置いて、
私のことを心配そうに見つめた。
「えっ?
それ以上のことって?」
「えっ?
えっと…」
「お兄様、大丈夫。
沙羅ね。
合気道とか空手、習ってたから。
最初、びっくりして怖かったけど、
股間を思い切り膝蹴りしながら、
振り解いて逃げたの。
正門出て、すぐにタクシーに乗って、
振り返ったけど、誰も追い掛けて来なかったし。
でも、怖くて震えちゃった。
あんなヒトが、うちの大学に居るなんて…」
律お兄様は、
私を抱き締めて、
「何もなくて良かった」と言った。
あれ?って思ってお兄様を見たら、
私の頬にお兄様の涙が落ちた。
「お兄様?」
「沙羅ちゃんが何もなくて、
本当に良かった。
大学は、結構、誰でも入れるし、
東大の女子なんて真面目で騙せるからって、
他の大学のヤツとか、
なんなら一般のヤツとかも入ってきて、
ナンパしたのかもな」と笑った。
「沙羅のファーストキス、
ちゃんと守れて良かった。
あんなの、最低最悪だもん」と言うと、
「えっ?」とお兄様は言った。
「その…。
空としてたんじゃないの?
付き合ってたよね?」
「えっ?
空くんと?
まさか?」
「そうなの?
だって、小さい頃から仲良かったし…」
「空くんなんて、
私のこと、意地悪ばかりしてたもん。
沙羅、それより、慧お兄様が好きだったのに…。
お嫁さんにしてくれるって言ってたのに、
結婚しちゃったから…」と言うと、
律お兄様は笑い出した。

