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花の香りに酔う如く
第4章 モッコウバラのキス②〜律

そんな邪な僕に、
沙羅ちゃんは、
「優しいから好き」と言ってくれて、
頬にキスをしてくれた。
なんだか、夢みたいな朝だった。
沙羅ちゃんは本当に、
今朝、摘んであげた黄色い小さなモッコウバラのように、
たおやかで優しくて可愛らしいと思った。
その花は毎年、庭に咲いていたけど、
今朝まで名前も知らなかった。
優しい柔らかい黄色の花と、
近づかないと気づかないほどの甘い香りは、
まさに沙羅ちゃんそのものだと思った。
そんな沙羅ちゃんが、
背伸びをして頬にそっとキスしてくれるなんて。
僕は嬉しさで震えそうになった。
本当は、そのまま引き寄せて、
唇にキスをしたかったけど。
沙羅ちゃんの「好き」は、
優しいお兄ちゃんに対する「好き」なんだと思ったし、
いきなりキスをして嫌われることが怖くて、
「僕も沙羅ちゃんが大好きだよ。
会った時からずっと好きだった」と言って、
頬にキスを返して、優しく抱き締めることがやっとだった。
そして、こんなことなら。
沙羅ちゃんも、キスすらしてないっていうなら。
自分も適当に、
そして、簡単に、
童貞、捨てなきゃ良かったのかと、
激しく後悔しながら、
そのモッコウバラを花瓶に入れなきゃと言って、
家の中に小走りで入る沙羅ちゃんの背中をぼんやり見ていた。
でも、
キスはしてないけど。
なんてこったという気持ちで、
あの夜のことを思い出した。
沙羅ちゃんは、
「優しいから好き」と言ってくれて、
頬にキスをしてくれた。
なんだか、夢みたいな朝だった。
沙羅ちゃんは本当に、
今朝、摘んであげた黄色い小さなモッコウバラのように、
たおやかで優しくて可愛らしいと思った。
その花は毎年、庭に咲いていたけど、
今朝まで名前も知らなかった。
優しい柔らかい黄色の花と、
近づかないと気づかないほどの甘い香りは、
まさに沙羅ちゃんそのものだと思った。
そんな沙羅ちゃんが、
背伸びをして頬にそっとキスしてくれるなんて。
僕は嬉しさで震えそうになった。
本当は、そのまま引き寄せて、
唇にキスをしたかったけど。
沙羅ちゃんの「好き」は、
優しいお兄ちゃんに対する「好き」なんだと思ったし、
いきなりキスをして嫌われることが怖くて、
「僕も沙羅ちゃんが大好きだよ。
会った時からずっと好きだった」と言って、
頬にキスを返して、優しく抱き締めることがやっとだった。
そして、こんなことなら。
沙羅ちゃんも、キスすらしてないっていうなら。
自分も適当に、
そして、簡単に、
童貞、捨てなきゃ良かったのかと、
激しく後悔しながら、
そのモッコウバラを花瓶に入れなきゃと言って、
家の中に小走りで入る沙羅ちゃんの背中をぼんやり見ていた。
でも、
キスはしてないけど。
なんてこったという気持ちで、
あの夜のことを思い出した。

