この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
花の香りに酔う如く
第4章 モッコウバラのキス②〜律
「律はもう、女と寝たこと、あるのか?」
と早めの夕食の席で水野住職に言われて、
飲んでいたお茶でむせてしまって咳き込んでしまった。


その訊き方が、
まるで、至極当たり前のことを訊くような感じで、
咳が落ち着いてから、
「いいえ」と素直に答えてしまった。


「なんだ。
お前の高校は、モテる学校だっただろうに。
ひょっとして、オトコの方が好きだとか?」とサラリと訊かれて、
更に動揺してしまう。

質問の意味が判らない。


「お前、東大生だし、
ここの寺の息子になって、
変なオンナに引っ掛かるといけないからな」と言うと、

「ちょっと出掛けるぞ」と言った。


「ああ。
そうだな。
入学式の時のスーツを着なさい。
あ、車は要らない。
タクシー呼びなさい」と言われて、
銀座のクラブという所に連れて行かれた。


「乾杯くらいは飲みなさい」と言われて、
恐る恐る初めてウィスキーの水割りを飲んで、
ぼんやり周りを見る。


派手なドレスを着た女の人達は、
背が高いのにハイヒールを履いて、
同じような化粧と髪型で、
服の色でしか判別出来ない。
年齢すら、判らない。


小柄の着物姿の女の人が、
「ママ」って呼ばれてるから、
そこの店主なんだろう。

柔らかい笑顔で、
少し沙羅ちゃんに似ているような気がした。
正確に言うと、
沙羅ちゃんのお母様に似てるのかもしれない。


もう1人、長身で着物の人が居て、
そっちは名前で呼ばれているから、
「ママの右腕」なのかもしれない。

なんか、極道の女って感じで凄みがある。


住職は、
「律、どのコが好みかな?」と耳元で言うので、

「みんなおんなじような顔で、
見分けがつかなくて…」と言うと、
楽しそうに大笑いする。


「強いて言えば…。
あの、着物の小さいヒトです。
気配りしてる感じで、
優しそうで…」


「なんだ。
律は随分と歳上好みなんだな?」と笑って、
その人を席に呼んだ。



そして、
「こいつ、私の息子なんだよ」と紹介した後、
ママさんの耳元で何かを囁いていた。


ママさんは僕を見て、
「あら?
まあ…」と言って、
目をきらりと光らせたような気がした。





/235ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ