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花の香りに酔う如く
第6章 クチナシの誘惑②〜律

あまり意識をしてなかったけど、
ふんわりと甘い香りがする八重咲きの純白の花が、
夜の闇の中で浮かんでいるようだった。
少し屈んで香りを楽しむ。
甘ったるくて、
クラクラするほどで、
花を見つめる沙羅ちゃんの横顔は、
クチナシの香りより甘くて、少し妖艶な気がしてしまった。
それで、
僕は言ってしまった。
「キス、したい」
正直、何を言ったか覚えてない。
好きだと言う気持ち。
それは、妹としてじゃなくて、
女の子として好きだってことだと。
そして、沙羅ちゃんが、
首に腕を回して、
キスをしてくれた。
夢かもしれない。
そう思って、
一度離れて沙羅ちゃんの顔を見つめて、
自分の手で沙羅ちゃんの頬を包んで、
改めてキスをした。
柔らかい唇。
少し震えている身体。
甘いシャンプーの香り。
そして、濃厚なクチナシの香り。
少し開いた唇の中に、
そっと舌先を入れて沙羅ちゃんの舌を探してみる。
触れ合っては恥ずかしそうに奥へと隠れてしまうのが、
沙羅ちゃんらしくて、
とてもそれ以上、激しいキスは出来ないと思った。
雨も降り出したし、
沙羅ちゃんは震えてしまって、
気絶しそうになっていたから、
僕は慌てて抱えるように家の中に沙羅ちゃんを連れて行って、
引き返して落としたクチナシの枝と花鋏を拾って家に入った。
少し汚れた枝を水で流してから、
コップに挿して、
沙羅ちゃんと2階に上がった。
もう少しだけ一緒に居たくて、
そう言ってみると、
沙羅ちゃんは頷いてくれた。
それで、沙羅ちゃんにはベッドで横になってもらって、
髪を撫でながら少しだけ一緒に過ごした。
少しだけじゃないと、
もっとキスしたり、
それ以上のこと、しそうだから。
さっきのクチナシの香りにやられてしまったキスが、
夢じゃなかったことと、
なんていうか、一時の気の迷いとか、
感情に押し流されてのことじゃないことを、
なんとか伝えたかったから。
でも、口下手な僕は、
上手いことそんな話も出来なくて。
それでも、沙羅ちゃんを大切にしたいってことと、
ファーストキスの記念に、
何かプレゼントしたいと言ってみた。
ふんわりと甘い香りがする八重咲きの純白の花が、
夜の闇の中で浮かんでいるようだった。
少し屈んで香りを楽しむ。
甘ったるくて、
クラクラするほどで、
花を見つめる沙羅ちゃんの横顔は、
クチナシの香りより甘くて、少し妖艶な気がしてしまった。
それで、
僕は言ってしまった。
「キス、したい」
正直、何を言ったか覚えてない。
好きだと言う気持ち。
それは、妹としてじゃなくて、
女の子として好きだってことだと。
そして、沙羅ちゃんが、
首に腕を回して、
キスをしてくれた。
夢かもしれない。
そう思って、
一度離れて沙羅ちゃんの顔を見つめて、
自分の手で沙羅ちゃんの頬を包んで、
改めてキスをした。
柔らかい唇。
少し震えている身体。
甘いシャンプーの香り。
そして、濃厚なクチナシの香り。
少し開いた唇の中に、
そっと舌先を入れて沙羅ちゃんの舌を探してみる。
触れ合っては恥ずかしそうに奥へと隠れてしまうのが、
沙羅ちゃんらしくて、
とてもそれ以上、激しいキスは出来ないと思った。
雨も降り出したし、
沙羅ちゃんは震えてしまって、
気絶しそうになっていたから、
僕は慌てて抱えるように家の中に沙羅ちゃんを連れて行って、
引き返して落としたクチナシの枝と花鋏を拾って家に入った。
少し汚れた枝を水で流してから、
コップに挿して、
沙羅ちゃんと2階に上がった。
もう少しだけ一緒に居たくて、
そう言ってみると、
沙羅ちゃんは頷いてくれた。
それで、沙羅ちゃんにはベッドで横になってもらって、
髪を撫でながら少しだけ一緒に過ごした。
少しだけじゃないと、
もっとキスしたり、
それ以上のこと、しそうだから。
さっきのクチナシの香りにやられてしまったキスが、
夢じゃなかったことと、
なんていうか、一時の気の迷いとか、
感情に押し流されてのことじゃないことを、
なんとか伝えたかったから。
でも、口下手な僕は、
上手いことそんな話も出来なくて。
それでも、沙羅ちゃんを大切にしたいってことと、
ファーストキスの記念に、
何かプレゼントしたいと言ってみた。

