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花の香りに酔う如く
第6章 クチナシの誘惑②〜律

僕が戸惑っていると、
沙羅ちゃんがキッパリした声で、
「ボールペン、見せてください」と言った。
「えっ?」と小さい声が出てしまった僕に、
「あのね。
割れ物じゃないし、
毎日持ち歩いて使うモノだから良いですよね?
でもね。
凄く高いの。
良いのかな?」
「勿論、好きなのを選んで?」と言いながら、
モンブランの万年筆を思い浮かべて、
高いって、それくらいだよな…と思った。
いやいや。
このキラキラがダイヤモンドだったら?
と考えると、
現金が足りなかったら、
カードを切ろうと瞬時に考えた。
お店の人がトレイにいくつもボールペンを並べる。
沙羅ちゃんは真剣な顔で選んで、
最後に2本に絞っていた。
ピンクの可愛らしいものと、
シルバーのシンプルなもの。
「気に入ったなら、
両方買えば良いよ」と言うと、
沙羅ちゃんは頷いて、
「あの…刻印していただけますか?」と言った。
オーダーシートを2枚出されて、
沙羅ちゃんが用紙に記入して、
それを戻した。
来週、ピックアップ出来ると言われて、
「会計を…」と財布を出すと、
沙羅ちゃんが、
「こっちのは私がお会計します」とオーダーシートの片方を掴んだ。
「えっ?」
「律さん、良いでしょ?」と、
あまりにもきっぱりと言うので、
僕はいきおいに押されて頷いてしまった。
電卓で代金を示されて、
「えっ?」ともう一度言ってしまった。
思っていたより、
丸が一桁、少なかった。
これじゃあ、記念のプレゼントって感じがしないと思って、
小さい声で、
「沙羅ちゃん、他に欲しいモノ、ないの?
ほら、そこに指輪とか、ネックレスとかもあるよ?」と言うと、
「指輪は、いつか結婚する時に、
素敵なのをいただくのが夢なので。
アクセサリー、つけるの、
好きじゃないし…」と言う。
えっ?
結婚?
心臓がドクンといった気がした。
お店の人が、釣り銭とレシートや、オーダーシートの控えを持って戻ってきたので、
その話はそこで終わってしまった。
沙羅ちゃんがキッパリした声で、
「ボールペン、見せてください」と言った。
「えっ?」と小さい声が出てしまった僕に、
「あのね。
割れ物じゃないし、
毎日持ち歩いて使うモノだから良いですよね?
でもね。
凄く高いの。
良いのかな?」
「勿論、好きなのを選んで?」と言いながら、
モンブランの万年筆を思い浮かべて、
高いって、それくらいだよな…と思った。
いやいや。
このキラキラがダイヤモンドだったら?
と考えると、
現金が足りなかったら、
カードを切ろうと瞬時に考えた。
お店の人がトレイにいくつもボールペンを並べる。
沙羅ちゃんは真剣な顔で選んで、
最後に2本に絞っていた。
ピンクの可愛らしいものと、
シルバーのシンプルなもの。
「気に入ったなら、
両方買えば良いよ」と言うと、
沙羅ちゃんは頷いて、
「あの…刻印していただけますか?」と言った。
オーダーシートを2枚出されて、
沙羅ちゃんが用紙に記入して、
それを戻した。
来週、ピックアップ出来ると言われて、
「会計を…」と財布を出すと、
沙羅ちゃんが、
「こっちのは私がお会計します」とオーダーシートの片方を掴んだ。
「えっ?」
「律さん、良いでしょ?」と、
あまりにもきっぱりと言うので、
僕はいきおいに押されて頷いてしまった。
電卓で代金を示されて、
「えっ?」ともう一度言ってしまった。
思っていたより、
丸が一桁、少なかった。
これじゃあ、記念のプレゼントって感じがしないと思って、
小さい声で、
「沙羅ちゃん、他に欲しいモノ、ないの?
ほら、そこに指輪とか、ネックレスとかもあるよ?」と言うと、
「指輪は、いつか結婚する時に、
素敵なのをいただくのが夢なので。
アクセサリー、つけるの、
好きじゃないし…」と言う。
えっ?
結婚?
心臓がドクンといった気がした。
お店の人が、釣り銭とレシートや、オーダーシートの控えを持って戻ってきたので、
その話はそこで終わってしまった。

