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花の香りに酔う如く
第8章 金木犀の香りほどの不安②〜律

「えっ?」
「プロポーズ、してくれるんですか?」
「あんなにたくさんの男子に囲まれてると思ったら、
ヤキモチをやいて…」
「ヤキモチ?
なんだ。
嘘だったんですか?」と、
少し哀しそうな顔で俯いてしまう。
ふわりと金木犀の香りが茶室まで漂ってくるのを感じる。
優しくて頼りない香りが、
心地良いのに少し不安な気持ちにもする。
僕はその不安をかき消したくて、
扇子を正面に置いて、
深々と真のお辞儀をして、
沙羅ちゃんに言った。
「沙羅ちゃん。
いや、沙羅さん。
僕と結婚を前提に付き合ってください。
そして、大学を卒業したら、
僕と結婚してください」
沙羅ちゃんは少し驚いた顔で、
僕の顔を見つめてから、
帯に挿した茶扇子を正面に置いて、
真のお辞儀をしてから、
キッパリとした声で答えた。
「律さん。
謹んでお受け致します」
少しはにかんで微笑む沙羅ちゃんが愛しくて、
僕はにじり寄って沙羅ちゃんの肩を抱き寄せて、
しっかりと抱き締めた。
「明日、誕生日だよね?
これからプロポーズの記念に、
プレゼント、選びに行こう。
着替える?
そのままで行く?」と言うと、
「このままでも、おかしくないですか?」と笑う。
「僕もこの格好で良いかな?」と言うと、
「律さん、カッコ良いですよ?」と言われて、
なんだか照れてしまう。
ちょうど外出から帰ってきた住職に声を掛けて、
2人で車に乗り込んだ。
「プロポーズ、してくれるんですか?」
「あんなにたくさんの男子に囲まれてると思ったら、
ヤキモチをやいて…」
「ヤキモチ?
なんだ。
嘘だったんですか?」と、
少し哀しそうな顔で俯いてしまう。
ふわりと金木犀の香りが茶室まで漂ってくるのを感じる。
優しくて頼りない香りが、
心地良いのに少し不安な気持ちにもする。
僕はその不安をかき消したくて、
扇子を正面に置いて、
深々と真のお辞儀をして、
沙羅ちゃんに言った。
「沙羅ちゃん。
いや、沙羅さん。
僕と結婚を前提に付き合ってください。
そして、大学を卒業したら、
僕と結婚してください」
沙羅ちゃんは少し驚いた顔で、
僕の顔を見つめてから、
帯に挿した茶扇子を正面に置いて、
真のお辞儀をしてから、
キッパリとした声で答えた。
「律さん。
謹んでお受け致します」
少しはにかんで微笑む沙羅ちゃんが愛しくて、
僕はにじり寄って沙羅ちゃんの肩を抱き寄せて、
しっかりと抱き締めた。
「明日、誕生日だよね?
これからプロポーズの記念に、
プレゼント、選びに行こう。
着替える?
そのままで行く?」と言うと、
「このままでも、おかしくないですか?」と笑う。
「僕もこの格好で良いかな?」と言うと、
「律さん、カッコ良いですよ?」と言われて、
なんだか照れてしまう。
ちょうど外出から帰ってきた住職に声を掛けて、
2人で車に乗り込んだ。

