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花の香りに酔う如く
第1章 月下美人の夜①〜沙羅
初恋がすっかり終わってしまった私は、
中学高校と女子校で真面目で退屈な学校生活を送ることになった。


相変わらず、月下美人の咲く夜は、
ママの車でお寺に行って過ごしていた。



慧お兄様は、
月下美人が咲く夜に、昔のようにリビングに来ることはなかった。

あの意地悪そうな顔のお嫁さんと、
隣接する家で過ごしているんだろうと思うと、
切なさよりも苛立ちを感じていた。



律お兄様は、
養子先の水野住職と一緒に月下美人を観に来るようになっていた。

水野住職は、
凄くダンディな雰囲気で、
家元先生とは全く雰囲気が違うお坊様だった。


律お兄様は相変わらず無口で、
少し離れたお隣のお部屋に1人で座っていた。




月下美人が少しずつ開いていくと、
濃厚な香りが広がっていく。


目を閉じて吸い込むと、
目眩がするほどだった。


少し息が苦しくなって、
そっと部屋を出て庭に出ると、
心配して律お兄様が外に出て来てくれた。



「どうしたの?」と言われて、

「香りが濃厚過ぎて苦しくて…」と言うと、
そっと手を握ってくれる。



「あれ?
律お兄様、なんだか痩せてる?」と見上げると、

「ああ。
修行に出てたからね?」と笑う。


「そうだ!
沙羅ね、お兄様と同じ大学、受験するの。
合格したら、授業のこととか、相談したいな」


「ん。
良いよ。
通学、結構、大変だね?」と言われて、

「そういえば、模擬試験でそこのキャンパスまで行った時、
電車で痴漢に遭ったの」と言うと、
絶句して心配そうな顔をした。


「すぐにね。
持ってた携帯のアプリで、
『痴漢です』ってアラート音出したから、
周りのヒトが助けてくれたから、
大丈夫だよ?」と笑った。


ギュッと抱き締めて、
「心配だな?」と律お兄様は泣きそうな顔で言った。
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