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ただ一緒に居たいだけ
第9章 揺れる

ケーキは4個だったし、
痛さであまり食べられそうになかったから、
甘いのが苦手だという健吾さんと半分ずつにして食べてから薬は飲んだけど効くまでに少し時間がかかるし、
正直、薬も効かないくらい痛い。
あまりにも酷い顔をしていたようで、
「もう、横になって休んだら?」と健吾さんに言われたけど、
みんなが居るのにそういう訳にはと思って、
ソファに移動する。
「ところで、お父さんとお兄ちゃん、
何でここに居るの?」とメイちゃんに言われて、
2人は顔を見合わせてる。
「それより、美波さんの髪!
あんなに、綺麗だったのに、
どうして切っちゃったんです?」と、
メイちゃんが更に言うから、
今度はみんなが私を見た。
「お母さん、時々物凄く髪、切ってるよね?」と、
渉さんが呑気な声で言う。
「えっと、2年に一度、
ヘアドネーションしたくて、伸ばしてるの」
「えっ?
ヘアドネーションって、医療用のカツラ用に、
髪の毛、寄付するやつ?」と、
慎吾さんが言う。
私は頷いて続けた。
「高校の時、親友がね。
血液の癌で亡くなったの。
その時、治療で髪も眉毛とかもなくなって、
帽子被ってた姿、今でも忘れられない。
だから、出来ることしたくて。
帽子も編んでたりしてるのよ?」と言うと、
健吾さんが目を閉じて唇を噛み締めるのが見えた。
「髪の毛なんて、伸びるし、
別に私の髪型なんて、誰も気にしないし」と笑うと、
「いや。
俺は気にするけど、
美波さん、短いのも可愛いよ。
なんか、幼くなった」と慎吾さんが言った。
痛さであまり食べられそうになかったから、
甘いのが苦手だという健吾さんと半分ずつにして食べてから薬は飲んだけど効くまでに少し時間がかかるし、
正直、薬も効かないくらい痛い。
あまりにも酷い顔をしていたようで、
「もう、横になって休んだら?」と健吾さんに言われたけど、
みんなが居るのにそういう訳にはと思って、
ソファに移動する。
「ところで、お父さんとお兄ちゃん、
何でここに居るの?」とメイちゃんに言われて、
2人は顔を見合わせてる。
「それより、美波さんの髪!
あんなに、綺麗だったのに、
どうして切っちゃったんです?」と、
メイちゃんが更に言うから、
今度はみんなが私を見た。
「お母さん、時々物凄く髪、切ってるよね?」と、
渉さんが呑気な声で言う。
「えっと、2年に一度、
ヘアドネーションしたくて、伸ばしてるの」
「えっ?
ヘアドネーションって、医療用のカツラ用に、
髪の毛、寄付するやつ?」と、
慎吾さんが言う。
私は頷いて続けた。
「高校の時、親友がね。
血液の癌で亡くなったの。
その時、治療で髪も眉毛とかもなくなって、
帽子被ってた姿、今でも忘れられない。
だから、出来ることしたくて。
帽子も編んでたりしてるのよ?」と言うと、
健吾さんが目を閉じて唇を噛み締めるのが見えた。
「髪の毛なんて、伸びるし、
別に私の髪型なんて、誰も気にしないし」と笑うと、
「いや。
俺は気にするけど、
美波さん、短いのも可愛いよ。
なんか、幼くなった」と慎吾さんが言った。

