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ただ一緒に居たいだけ
第10章 キスの温度

「もう少しだけ、
一緒に寝てても良いですか?
腕枕、させてください」と言って私をすっぽり包み込むように優しく抱き締める。
「短い髪も、
可愛いですね?
私の妻も抗がん剤治療で髪も眉毛もなくなったりしたけど、
当時は帽子くらいしかなかったな。
最初は子宮頸がんで、子宮を全摘して。
3年後に今度は乳がんが見つかった時はかなり進行してて、
リンパから転移もしてて。
でも、胸だけは絶対に取らないっていって。
抗がん剤治療も拒否したのに、
私が無理矢理説得して勧めて、
最後は本当にボロボロで可哀想なことをしました。
嫌なことをさせないで、
好きにさせてあげた方が良かったのかと、
今でも後悔してますよ」とゆっくり静かに話をする。
「慎吾はお母さん子だったから、
きっと私が母親に辛いことを強いたと思ってたのかもしれないし、
難しい年頃だったから、
口も聞いてくれなくなって、
高校出たら東京に行って、
ほぼ、音信不通でしたよ。
さつきが良いクッションになってくれて、
東京の大学にあいつも行くようにになって、
連絡取り合うようになって、
本当にようやく最近、
電話をくれるようにはなったところで…」と言った。
まだ、渉さんと仲良く暮らしている私は、
幸せなのかもしれないと思って、
泣いてしまう。
「あれ?
泣かしてしまいましたか?」と言って、
私の涙を指先でそっと拭ってくれる。
私は見上げて健吾さんの顔を見ると、
健吾さんの瞳に私が映っていた。
「瞳に吸い込まれそうだ」と言いながら、
キスをする。
私も首に手を回して、
そのキスに応えてしまった。
一緒に寝てても良いですか?
腕枕、させてください」と言って私をすっぽり包み込むように優しく抱き締める。
「短い髪も、
可愛いですね?
私の妻も抗がん剤治療で髪も眉毛もなくなったりしたけど、
当時は帽子くらいしかなかったな。
最初は子宮頸がんで、子宮を全摘して。
3年後に今度は乳がんが見つかった時はかなり進行してて、
リンパから転移もしてて。
でも、胸だけは絶対に取らないっていって。
抗がん剤治療も拒否したのに、
私が無理矢理説得して勧めて、
最後は本当にボロボロで可哀想なことをしました。
嫌なことをさせないで、
好きにさせてあげた方が良かったのかと、
今でも後悔してますよ」とゆっくり静かに話をする。
「慎吾はお母さん子だったから、
きっと私が母親に辛いことを強いたと思ってたのかもしれないし、
難しい年頃だったから、
口も聞いてくれなくなって、
高校出たら東京に行って、
ほぼ、音信不通でしたよ。
さつきが良いクッションになってくれて、
東京の大学にあいつも行くようにになって、
連絡取り合うようになって、
本当にようやく最近、
電話をくれるようにはなったところで…」と言った。
まだ、渉さんと仲良く暮らしている私は、
幸せなのかもしれないと思って、
泣いてしまう。
「あれ?
泣かしてしまいましたか?」と言って、
私の涙を指先でそっと拭ってくれる。
私は見上げて健吾さんの顔を見ると、
健吾さんの瞳に私が映っていた。
「瞳に吸い込まれそうだ」と言いながら、
キスをする。
私も首に手を回して、
そのキスに応えてしまった。

