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ただ一緒に居たいだけ
第18章 別れと始まり

少しずつ、周りを見渡して考えることが出来るようになってきたのは、
慎吾さんと恵吾さんに守られるように愛されているからだと心から思えた。
そして、
恵吾さんの絵と音楽の才能について取材を受けるようになってしまったことで、
思わぬ訪問者を迎えることになってしまった。
恵吾さんの生みの親のルカさん。
見たこともないような週刊誌の記者と一緒に、
私達の家に押し掛けてきた。
何も疑わず、
恵吾さんがドアを開けた。
すると、ルカさんは恵吾さんに大袈裟に近づいてきて、
抱き締めて「私が本当のママよ?」と言って、
カメラのフラッシュが焚かれた。
その瞬間、恵吾さんは身体を震わせながら硬直させて、
叫びながらルカさんを押し退けて、
私と慎吾さんの後ろに隠れた。
スローモーションのように感じてしまった後、
私は咄嗟に振り返って恵吾さんを庇うように抱き締めた。
ルカさんは、
鬼の首を取ったような顔で、
「その人、夫の父親の奥さんですよ?
親子で淫らな関係なの?
私の子供を奪うつもり?」と、
喚き散らした。
慎吾さんが、
「いい加減にしないか?
出て行ってください」と淡々と言う。
その間もずっとフラッシュが炊かれていた。
一緒に居た記者らしき人が、
「自分の父親の奥さんと寝てるんですか?」と、
興味本位な顔で慎吾さんに問い掛ける。
「なんでそんな質問に答えないといけないんですか?」
「お子さん、その人のこと、
『ママ』って呼んでますよね?
学校でも、その人が母親って思われてますよね?」
慎吾さんはとても怒った顔で、
淡々と言い放った。
「障害を持った実の息子を、可愛くないと言って、
離婚届を置いて産院から消えるような母親を、
『ママ』だなんて呼べるわけ、ないでしょう?
オヤジと美波さんは、
恵吾のことを天使のように可愛いと言って、
退院した日からずっと、
恵吾のことを一緒に育ててくれました。
だから、恵吾にとって、『ママ』は美波さんだけです。
それだけですよ?
それ以上、何か言ってきたり、
ここや学校なんかに押し掛けてくるなら、
訴訟も辞さないですから。
お前も、二度と顔、見たくないから恵吾の前に来ないでくれ」
慎吾さんと恵吾さんに守られるように愛されているからだと心から思えた。
そして、
恵吾さんの絵と音楽の才能について取材を受けるようになってしまったことで、
思わぬ訪問者を迎えることになってしまった。
恵吾さんの生みの親のルカさん。
見たこともないような週刊誌の記者と一緒に、
私達の家に押し掛けてきた。
何も疑わず、
恵吾さんがドアを開けた。
すると、ルカさんは恵吾さんに大袈裟に近づいてきて、
抱き締めて「私が本当のママよ?」と言って、
カメラのフラッシュが焚かれた。
その瞬間、恵吾さんは身体を震わせながら硬直させて、
叫びながらルカさんを押し退けて、
私と慎吾さんの後ろに隠れた。
スローモーションのように感じてしまった後、
私は咄嗟に振り返って恵吾さんを庇うように抱き締めた。
ルカさんは、
鬼の首を取ったような顔で、
「その人、夫の父親の奥さんですよ?
親子で淫らな関係なの?
私の子供を奪うつもり?」と、
喚き散らした。
慎吾さんが、
「いい加減にしないか?
出て行ってください」と淡々と言う。
その間もずっとフラッシュが炊かれていた。
一緒に居た記者らしき人が、
「自分の父親の奥さんと寝てるんですか?」と、
興味本位な顔で慎吾さんに問い掛ける。
「なんでそんな質問に答えないといけないんですか?」
「お子さん、その人のこと、
『ママ』って呼んでますよね?
学校でも、その人が母親って思われてますよね?」
慎吾さんはとても怒った顔で、
淡々と言い放った。
「障害を持った実の息子を、可愛くないと言って、
離婚届を置いて産院から消えるような母親を、
『ママ』だなんて呼べるわけ、ないでしょう?
オヤジと美波さんは、
恵吾のことを天使のように可愛いと言って、
退院した日からずっと、
恵吾のことを一緒に育ててくれました。
だから、恵吾にとって、『ママ』は美波さんだけです。
それだけですよ?
それ以上、何か言ってきたり、
ここや学校なんかに押し掛けてくるなら、
訴訟も辞さないですから。
お前も、二度と顔、見たくないから恵吾の前に来ないでくれ」

