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ただ一緒に居たいだけ
第4章 少しだけ接近
朝、いつもの時間に目が覚めてしまって、
一瞬、自分が何処に居るのか判らなくて少し戸惑ってしまう。


慎吾さんが微笑みながら眠っているのを見て、
私も微笑んで繋いだ手をそっと解いて頬を撫でてみる。

少し癖がある髭がやっぱりくすぐったいのね?
と思うと、
更に笑いたくなってしまった。


慎吾さんの目がそっと開いて、私を見つめる。


「美波さん、おはよ」
と言って、
寝袋ごと私をそっと抱き締める。


「おはようのキス、
して欲しいな?」

「えっ?
甘えてる?
やっぱり、私、お母さんなのね?」と言うと、

「違うよ?
お母さんなんかじゃない。
一緒に居るだけで、
カチカチに勃ってるもん」

「それって、
朝だからじゃない?」と笑うと、

「違うよ」と真剣な顔で言うから、

「茶化してごめんなさい」と言って、
そっと頬にキスをした。


「コーヒー、淹れてくれる?
その間に朝食、作るわね?」

「いや、その…。
まだ、無理」と、少し困った顔を慎吾さんがする。


「えっ?」

「いや、だからさ。
えっと…。
勃ってるから…」と言われて、
私は耳まで紅くなってしまう。


「えっと…。
じゃあ、私、外に居るわね?」
と言うと、
そっと寝袋から出て、テントの外で大きく背伸びをしながら深呼吸をして、椅子に座った。
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