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第6章 家族でご飯

お店から出ると、街は人で賑わっているけど、
少し肌寒かった。


「さつきは、渉くんと帰るんだろう？」と健吾さんが言うから、
私はびっくりしてしまう。


「いや、昨日、さつきの処に泊まった時、
色々気配がしたから…。
順番ってものがあるから、
ちゃんと避妊には気をつけるように」と言われて、
渉さんがピョコンと頭を下げて、
メイちゃんは、
「お父さん、やだ！」と言って健吾さんの胸を軽く叩いた。


私は紅くなってしまって、
下を向いてしまう。


「あの。
じゃあ、送って行きます」と渉さんが言って、
安心したように手を繋いで地下鉄の駅に向かって歩いて行くのをぼんやり見ていた。


「まだ、時間早いから…。
もう一杯、どうですか？」と健吾さんが言うと、

「ダメだよ？
美波さん、弱いんだから」と慎吾さんが口を尖らせて言った。


「あの…。
久し振りなら、
親子お2人で飲んだら？」と言うと、
2人は困惑した顔でお互いの顔を見た。


「じゃあ、美波さんの酔い覚ましに、
コーヒーでも？」と健吾さんが言う。


私はクスクス笑いながら、
「近くに時々仕事帰りに立ち寄るバーがあるので、
そちらに行きましょうか？」と言った。