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ただ一緒に居たいだけ
第9章 揺れる
いつもはあまり気にならない静かさがやけに気になって、
小さくジャズを流してから段々と料理をしてはタッパーに詰めていく。

それもすぐに終わってしまって、
合間に洗濯をしながらパンを焼く。


そしたらもう、ルーティンは終わりだった。


仕方なく、寝室の横のゴチャゴチャした私室で、
刺繍をする。


ん。
老眼を感じる。
目がすぐに疲れてくる。


溜息をついて、
キッチンで紅茶を淹れて、ソファにもたれてぼんやりしていると、
涙が出てきてしまう。


何の涙なのかな?


と思いながら、
流れ落ちる涙を拭うこともせずにいた。








その時、
インターホンが鳴った。



土曜日の訪問者?

何かの営業だろうと思って、
無視しようとする。



すると、また、インターホンが鳴る。



ん?
誰?


重たい身体をなんとか起こすように立って、
インターホンのモニターを見た。
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