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ただ一緒に居たいだけ
第9章 揺れる

「えっ?」
インターホン越しに声を上げてしまった。
「あの…お届け物を渡しに来ました」と、
柔らかい声で健吾さんが言う。
「あ…はい。
開けますね?」と言いながらも、
ドキドキしてしまう。
どうして?
玄関のチャイムが鳴る。
廊下の姿見で確認すると、
目がウサギのように赤くなっていたけど、
もう、どうしようもない。
諦めてドアを開けると、
先週のスーツ姿ではなくて、
ジーンズにカシミアのタートルネックに、カジュアルなジャケット姿の健吾さんが立っていた。
「えっ?」と私を見て、
固まっている。
「えっ?」と私も間抜けな声を出してしまう。
「あの…その髪…?」
「ああ。
失恋したから切ったんです」と笑ってみたけど、
やっぱりポロリと涙が溢れてしまう。
慌ててポケットからハンカチを出して拭いてくれたけど、
ハンカチはちょっとクシャクシャだった。
「健吾さん、素敵な格好なのに、ハンカチ、クシャクシャよ?」と小さく笑うと、
悪戯を見つかった子供のような顔をした。
インターホン越しに声を上げてしまった。
「あの…お届け物を渡しに来ました」と、
柔らかい声で健吾さんが言う。
「あ…はい。
開けますね?」と言いながらも、
ドキドキしてしまう。
どうして?
玄関のチャイムが鳴る。
廊下の姿見で確認すると、
目がウサギのように赤くなっていたけど、
もう、どうしようもない。
諦めてドアを開けると、
先週のスーツ姿ではなくて、
ジーンズにカシミアのタートルネックに、カジュアルなジャケット姿の健吾さんが立っていた。
「えっ?」と私を見て、
固まっている。
「えっ?」と私も間抜けな声を出してしまう。
「あの…その髪…?」
「ああ。
失恋したから切ったんです」と笑ってみたけど、
やっぱりポロリと涙が溢れてしまう。
慌ててポケットからハンカチを出して拭いてくれたけど、
ハンカチはちょっとクシャクシャだった。
「健吾さん、素敵な格好なのに、ハンカチ、クシャクシャよ?」と小さく笑うと、
悪戯を見つかった子供のような顔をした。

