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かくれんぼ
第2章 回想 涼音
その証拠に涼音ちゃんの成績はグングン上がり二学期の中頃にはテストで90点以下の点を取らなくなっていた。
そろそろ勉強会もお仕舞いかな。
寂しく思っていたそんな終業式を明日に控えた12月23日。
おそらく最後になるだろう勉強会が終わると涼音ちゃんが妙な事を尋ねてきた。
「タヌキさん。25日って暇ですか?」
うん?
25日って今月の25日だよな。
「その日は朝から晩まで家でボォ~~~~っとしてる予定だけど。」
「つ・ま・り。暇なんですね?」
どうしたんだろう。
今日は押しが強いぞ。
「ひ、暇です。」
思わず敬語になってしまった。
「よかった!」
涼音ちゃんはニッコリ笑う。
「12月25日、12時からタヌキさんの家でクリスマスパーティーしますから起きてて下さいね。」
「はぁ~?」
理解出来ずに頭上に幾つもハテナマークを浮かべている俺を置き去りに話しはどんどん進んでいく。
「料理は涼音が持って行きますから飲み物とケーキ用意して下さいね。あ、飾り付けは有っても無くてもいいですこら。じゃ、さようなら。」
言うだけ言うと脱兎の如く立ち去る。
え~っと。
俺の家でパーティーするから部屋掃除してクリスマス用の飾り付けして飲み物とケーキを買って待っていろ。
って、ことかな?
一体何がどうなっているのだろうか?
さて、当日。
言われた通り部屋をクリスマス仕様にしてちゃぶ台の上に大きなケーキを置く。
これは書き入れ時で忙しい知り合いのケーキ屋に無理を言って特注超特急で作って貰ったものだ。
冷蔵庫にオレンジ、リンゴ、コーラ、サイダーと手当たり次第に買った1.5Lのペットボトルがぎっしりとつまり昨日からキンキンに冷やされている。
ピ~ンポ~ン。
間の抜けたチャイムが鳴ったのは11時45分の事だった。
玄関を開けるとそこには
「メリークリスマス!」
手に白い袋ならぬ大きなバスケットを持ったミニスカサンタクロースが立っていた。
「メ、メリークリスマス。」
あまりもの可愛らしさに一瞬言葉を失ってしまう。
「タヌキさん、これ重いから持って。」
差し出されたバスケットを受け取ると確かにずっしりと重たい。
「これ一人で持って来たの?」
「そこまでお父さんに車で送ってもらったの。」
そろそろ勉強会もお仕舞いかな。
寂しく思っていたそんな終業式を明日に控えた12月23日。
おそらく最後になるだろう勉強会が終わると涼音ちゃんが妙な事を尋ねてきた。
「タヌキさん。25日って暇ですか?」
うん?
25日って今月の25日だよな。
「その日は朝から晩まで家でボォ~~~~っとしてる予定だけど。」
「つ・ま・り。暇なんですね?」
どうしたんだろう。
今日は押しが強いぞ。
「ひ、暇です。」
思わず敬語になってしまった。
「よかった!」
涼音ちゃんはニッコリ笑う。
「12月25日、12時からタヌキさんの家でクリスマスパーティーしますから起きてて下さいね。」
「はぁ~?」
理解出来ずに頭上に幾つもハテナマークを浮かべている俺を置き去りに話しはどんどん進んでいく。
「料理は涼音が持って行きますから飲み物とケーキ用意して下さいね。あ、飾り付けは有っても無くてもいいですこら。じゃ、さようなら。」
言うだけ言うと脱兎の如く立ち去る。
え~っと。
俺の家でパーティーするから部屋掃除してクリスマス用の飾り付けして飲み物とケーキを買って待っていろ。
って、ことかな?
一体何がどうなっているのだろうか?
さて、当日。
言われた通り部屋をクリスマス仕様にしてちゃぶ台の上に大きなケーキを置く。
これは書き入れ時で忙しい知り合いのケーキ屋に無理を言って特注超特急で作って貰ったものだ。
冷蔵庫にオレンジ、リンゴ、コーラ、サイダーと手当たり次第に買った1.5Lのペットボトルがぎっしりとつまり昨日からキンキンに冷やされている。
ピ~ンポ~ン。
間の抜けたチャイムが鳴ったのは11時45分の事だった。
玄関を開けるとそこには
「メリークリスマス!」
手に白い袋ならぬ大きなバスケットを持ったミニスカサンタクロースが立っていた。
「メ、メリークリスマス。」
あまりもの可愛らしさに一瞬言葉を失ってしまう。
「タヌキさん、これ重いから持って。」
差し出されたバスケットを受け取ると確かにずっしりと重たい。
「これ一人で持って来たの?」
「そこまでお父さんに車で送ってもらったの。」