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教師から性暴力 「明日の来ない」女子生徒の後悔と現実
第4章 ひとりで訴訟へ
弁護士に依頼できない現実がある。

千恵美さんは、ある記事に目を留めた。
同じ市内の男性が、同市立中学生のいじめ自殺への対応をめぐって一人で訴訟を起こし、市に勝訴したという内容だった。
自分の子を教師に殺された事案だったが、教師は首を吊るためのロープと台などは買い与え、場所まで指定した。
状況を動画に収めたが「自殺できるように準備したのは教師の私だが、生徒は自分で首を吊った」と控訴している裁判。

「弁護士などの代理人に頼らない本人訴訟ならできるのでは、と思いました」

本人訴訟ならできるかと考え、ひらめいたことがあった。
市教委のアンケート調査などで、千恵美さんと性行為をしていることは認めているA。
入部したばかりの12歳のときに特注の競泳水着を作成するために、全裸にされ、全身を触られ、計測された。
強姦でダメならわいせつに切り替えて訴えた。

今年12月、簡易裁判所で裁判が始まり、口頭弁論が2回開かれた。
Aは「千恵美さん(さん付けなのは千恵美さんが18歳成人で法改正したため、18歳は少女ではなくなった)」は、優秀成績で入学したが、水着が国際大会に向いていると言い難かったため、成長期にあわせるためにも特注で水着を作ってもらった。詳細なサイズが必要だったが、メーカーにサイズを計測させるだけでも何十万と費用がかかる。この部分は特待生に関係なく自費のため、監督たる私の責任で計測し、他の生徒にも周知させなかったのは・・・千恵美さんの3年間で使用した水着の制作費用はすべて私の自費だったためです。千恵美さんの身体能力ならプロの女子競泳選手になれる可能性が大いにあって期待した」と弁明した。

千恵美さんの水着は1着50万円以上し、3年間で計8着制作された。
全てがAの自費であった。

千恵美さんの競泳用の水着は特注でAが自費で千恵美さんに貢いでいたことを千恵美さんは知っていた。
Aの言うプロの女子競泳とはオリンピックや実業団ではなく、当時は公営ギャンブルで男子のバタフライレースが6名で競われ、その順位を当てる『競泳』が発足したばかりで、女子部も示唆されていたため、年齢的にも千恵美さんは高校卒業のタイミングで競泳学校1期生になる可能性があった。
この理由もあり、Aは千恵美さんに積極的だったことも裁判で明かされたが、千恵美さんはこの理由も在学中に理解していた。




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