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私たちは、女同士でエッチする
第14章 沙織とアーシェ
 文明や文化がこの世界で言う所の、ちょうど十三、四世紀で止まってしまっているあちらの世界でアーシェの実家は“魔攻闘士”と言う、魔法使いと格闘家を足して二で割ったような、独自の武術の家元であり、小さなころから親兄弟にしごかれて育ってきた彼女の体はだから、しっかりと鍛え抜かれていた。

 一方で女性として出るところは出て柔らかく、女性アスリートとしても望みうる、最高の体を誇っていると言っても決して過言では無かったものの、それに対して沙織の方は確かに肌も白くてきれいではあったがその胸もお尻も小さくて、常日頃から“もっとメリハリのある、ナイスなバディになってみたい”と、ちょうど男の子たちが“もっと逞しくなりたい”とか、“もっと絶倫になりたい、巨根でいたい”と思うのに似た、コンプレックスに根差した身体的渇望を抱いていたのだった、ところが。

 そんな彼女の思いは実家の誰にも届くことは無かった、と言うのは彼女の実家もまた、三百年ほど続く、その世界では高名な退魔士の家系であり、しかも沙織は母親に似たのかそもそもがこじんまりとした体型をしていた為に、一層自分の体と言うものに自身を持てなくなってしまっていたのである。

 ちなみに、こんな二人の、ある意味凸凹レズレズコンビが何で出会ってしまったのか、というと、それはアーシェのある好奇心が原因であった、子供の頃から一生懸命に修行を積み重ねて来た彼女は10歳と半年近くが経った頃、“自分の力が異世界ではどの程度通用するのか?”と言う、格闘家ならばおそらくは、誰しもが抱くであろうチャレンジ精神の虜となってしまい、とうとう我慢が出来なくなって家の蔵の中に保管されていた時空転移の秘法を発動させてしまったのだ。
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