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私たちは、女同士でエッチする
第41章 渚とメルル・番外編1
「はっ、はぁっ!!!」

「・・・・・」

 しかし、とは言えども、だ。

 相手はやはり幼女であり、戦い方も日頃道場でやっている“乱取り”稽古の域を出なかった、対してメルルの扱う“エスペラント”と言う打撃系の格闘技はより洗練された古武術であり、しかもメルルとセーニャはそこで10本の指に入る位の実力者である、到底渚の技が入る余地は無かった。

「そらっ!!!」

「あぅっ!!?」

 メルルは落ち着いて渚の体術の流れを見極めると、彼女が上段蹴りをかました瞬間を見計らって軸足に払い技を仕掛けたのである、その直後。

 渚は思わず体勢を崩された挙げ句にもんどり打って転がってしまい、立ち上がろうとした所へメルルが顔面狙いの鋭いパンチをお見舞いして来た。

「・・・・・っ!!!!!」

「・・・・・」

 それが正面からクリーンヒットする、かに思われたがー。

 事態はそうはならなかった、命中の直前で、メルルが拳を止めたのだ、そのまま残心を取るエルフの少女に対してー。

 渚は勝負が着いた事を悟って泣き出した、ベソを掻き始めてしまったのであるモノの、それを見て最初、何が起きているのか解らなかったメルルは徐々に“転んだ拍子に何処かを打ったのかな?”等と考えて渚に“大丈夫か?”と声を掛けた、しかし渚は泣きじゃくるばかりでそれには応じない。

「しっかりしろ、何処かを痛めたのか・・・?」

「・・・・・」

 すると尚も己を心配してくれるメルルに対して渚も少しだけ心を開いたのか、頭を振って“違う”と答えるが、それを暫く無言で見つめていたメルルは“そうか”とようやく合点が行った、この目の前にいる幼女は悔しくて泣いているのだ、と言う事に気が付いたのである。

(何という幼女だ、普通は年上に負けても“当然だ”位にしか思わないであろうに。しかも私を相手にだぞ・・・?)
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