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 縄師-Ⅱ 中・高編
第3章  鞭と生け贄
 千鶴はバラ鞭で打ったとき、息を止めて筋肉を硬直させた。それは鞭に耐えようとする反発力だ。
 当然痛みは身体の芯まで届かない。
 
 俺は、小父が芳恵に使った一本鞭を取りだして、千鶴が最も感じる肩甲骨の間に狙いをつけて打った。

 ヒュンッと鳴る風切り音に続いて、ビシッと皮膚を傷つける音。

 予想してなかったこの痛みは身体を突き抜けたのだろう。「アーー」という悲鳴の語尾が長く伸びて息が続かなくなり、なお声を震わせ続けた。

 5秒ほどの間隔で続けて4度打つと、息が吸えなくなった苦しさで、手足を伸び縮みさせ、のたうちまわる。

 涙を流し、ようやくハアハアと息継ぎをして肩を震わせる千鶴の動きを止めて、俺は昨夜見た芳恵が失禁したときに打たれたと同じ仙骨の辺りを強く打った。

 叫び、絞りきった肺には吐く息が無くなり声帯からは『……ッ』とだけ音が漏れた。

 ガクガクと身体が数度跳ねる。そしてようやく吸う空気が『ヒュー』と喉笛をならした。
 
 芳恵と同じところで感じるのは鞭のせいか、親子だからか、それとも女性に特有の場所なのか。
 それは分からないけが、取り敢えず千鶴を責める性感がまた一つ増えた。
 
 俺は千鶴の手足から革紐を解き、両手首を天井から降りている滑車に掛けた。

 動滑車が回り千鶴が吊り上がる。

 踵が僅かに浮いた位置で止めた。
 
 吊った千鶴にキスをして乳首を噛む。脇や耳、擽(くすぐ)れるところは全てくすぐり、皮膚に刺激を与えておく。

 両脇に爪を這わせる。
「ちづ。ほら。くすぐったい?汗をかいてるぞ。舐めてやろうか」

「イヤだ。恥ずかしい」

「魔王に向かってイヤだとはなんだ。こらしめてやる」

 俺は腋の窪に人差し指を突き立て、グリグリとねじ込み、悲鳴を上げさせる。

 腹這いから吊りに変えた訳は身体全体を鞭打つためだ。

千鶴もそのことはよく解っていて、小父の手作り鞭の効果が身に浸みたこともあり期待に震えている。
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