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 縄師-Ⅱ 中・高編
第5章  リョウと千鶴
 針を1ミリぐらい突き刺して脇を傷つけた。
 
 千鶴が猿ぐつわの奥で「ウウッ」とうめく。

 顔が赤くなった。

 芳恵が受けていた責めを自分に置き換えているのだろうか。

 身体を震わせて喘ぎ声を出す。

 俺はぽつんと血が滲み出した針の先を、また少し突き入れて千鶴のくぐもった愉悦の声を聞く。

 千鶴が正座していた真っ白な膝を崩して腰を揺らしている。

「ちづ。踵に乗って自分でしてるだろ」

 千鶴はくぐもった声で何かを叫び、恥ずかしさに全身を真っ赤にして身悶える。

「勝手にいくなよ」
 俺はあと1ミリ、突き刺してみたいと思った。どんな苦しみ方をするだろう。それを見てみたいと思った。

 だが俺の理性が警報を鳴らす。肉が薄い場所だ。

 これ以上深く刺すのは危険だと感じた俺は、千鶴の乳首を摘まんだ。

 芳恵は乳首を鍼で刺されて泣いていた。突き刺さったままの鍼が揺れる度、新たな痛みで悲鳴を上げていた。
 しかしその悲鳴には明らかに快楽のトーンが含まれていて、エクスタシーを感じていたことがわかる。

 だからと言って、千鶴の発達途中の乳首にマチ針を突き刺せる訳が無い。

 小父が芳恵に使ったあの鍼は鍼灸に使う特殊な針で、しかも小父は皮膚の痛点と無痛の場所を見分ける知識を持った上で刺しているのだ。

 俺は摘まんだ乳首の先端を、慎重に1ミリだけ突き刺して千鶴の反応を見る。

 千鶴は口に入れた手ぬぐいを噛みしめ、呻き声を出しながら情感を高めていく。

 俺は針がそれ以上深く入らないように指で乳首を掴み、その指で乳首を押し込んだ。

 そうやって、いかにも針先が身体の深奥に向かって刺しこまれていくような感覚を与えると、頭を反らせて乳首を押し込まれる苦痛と先端の針の痛みで、声を震わせながら、絶頂にちかづいていった。
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