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縄師-Ⅱ 中・高編
第5章 リョウと千鶴
「そうだ。知ってる? リホが高校中退してるの」
バスローブを着た千鶴がドライヤーで髪を乾かしながらそう言ったのは、俺が高1千鶴が高2の春だ。
その日俺達は、千鶴の屋敷の桜の下で、2家族合同のバーベキューをすることになっていた。
俺が早朝ロードワークをしたあと使った朝風呂を、千鶴が使うのは習慣になっていたから特別なことではない。
千鶴がリホのことを持ち出すその前に、俺達は大学の専攻のことを話していたから、誰かが進路を変えたことを話題にするのも特別な事ではなかった。
リホというのは中学の入学式のとき、俺に付き合ってくれと言った千鶴と同級の女子で、看護師志望と聞いていた。
なので、専門学校に行き直すのだろうとそんな気がしたのでこれも特別なことではないと思った。
「へえ。なんでさ。高校ちづとおんなじだったか?」
「そう。松坂女子。相手の宮下や武田は小松工業校」
そして俺は県立第一高だから武田という奴は、多分知らない。
「やめる理由は妊娠して赤ん坊を産んだからなの」
「えッ。高2で母親!じゃあ宮下さんは父親か」
「宮下は父親やってない」
「へッどういうこと?…理解できねえ」
「リホが妊娠に気がつく前に宮下は他の女とくっついた。ふられたリホは心配して慰めてくれた武田ってやつと付き合うことにした。武田って、ほら、リョウが股間蹴った奴よ」
「ああ。思い出した」 俺は唖然として言葉がでなかった。
俺は言ったはずだ。この年でのエッチはリスクが大きすぎるって。
「それで妊娠に気がついたリホが親に打ち明けた。それから武田に『妊娠したから産んで育てるために中退して働く』って言ったのね。そしたら自分の子だと思った武田が、俺も学校やめて親父の左官屋で働くから、お前は子育てと看護師頑張れって言ったんだって」
「へえ。武田さんって凄い責任感があるな」
「あるよね。でもね……」
千鶴は俺が驚くのを楽しむように次々に話しを被せてきた。
「いや、もう充分驚いたけど、何だよ」
バスローブを着た千鶴がドライヤーで髪を乾かしながらそう言ったのは、俺が高1千鶴が高2の春だ。
その日俺達は、千鶴の屋敷の桜の下で、2家族合同のバーベキューをすることになっていた。
俺が早朝ロードワークをしたあと使った朝風呂を、千鶴が使うのは習慣になっていたから特別なことではない。
千鶴がリホのことを持ち出すその前に、俺達は大学の専攻のことを話していたから、誰かが進路を変えたことを話題にするのも特別な事ではなかった。
リホというのは中学の入学式のとき、俺に付き合ってくれと言った千鶴と同級の女子で、看護師志望と聞いていた。
なので、専門学校に行き直すのだろうとそんな気がしたのでこれも特別なことではないと思った。
「へえ。なんでさ。高校ちづとおんなじだったか?」
「そう。松坂女子。相手の宮下や武田は小松工業校」
そして俺は県立第一高だから武田という奴は、多分知らない。
「やめる理由は妊娠して赤ん坊を産んだからなの」
「えッ。高2で母親!じゃあ宮下さんは父親か」
「宮下は父親やってない」
「へッどういうこと?…理解できねえ」
「リホが妊娠に気がつく前に宮下は他の女とくっついた。ふられたリホは心配して慰めてくれた武田ってやつと付き合うことにした。武田って、ほら、リョウが股間蹴った奴よ」
「ああ。思い出した」 俺は唖然として言葉がでなかった。
俺は言ったはずだ。この年でのエッチはリスクが大きすぎるって。
「それで妊娠に気がついたリホが親に打ち明けた。それから武田に『妊娠したから産んで育てるために中退して働く』って言ったのね。そしたら自分の子だと思った武田が、俺も学校やめて親父の左官屋で働くから、お前は子育てと看護師頑張れって言ったんだって」
「へえ。武田さんって凄い責任感があるな」
「あるよね。でもね……」
千鶴は俺が驚くのを楽しむように次々に話しを被せてきた。
「いや、もう充分驚いたけど、何だよ」