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縄師-Ⅱ 中・高編
第1章 縄師-Ⅱ ごっこの終わりから
動くと蹴るぞ」
宮下に警告を与え、更に半歩間合いを詰める。
「ほれ」
左をチラ見する。
奴は俺が何を見たのだろうと、同じ方に目を向ける。
その瞬間俺はそいつの股間を全力で蹴り上げた。
悲鳴を上げて悶絶したそいつはそのままに、俺は宮下と言われた奴の耳を掴み、起き上がらせると、俺を襲った訳を訊いた。
「リホの胸を掴んで恥をかかせたから仕返しをしてやろうと思った」という。
宮下は俺を力で抑えて自分の下につけ、千鶴との距離を縮めようとする意図もあったようだ。
「折角胸を大きくする方法教えてやったのに」
まあそんなことだとは思っていたが、リホの頼みでは無く、リホの仇をとろうと思ったという根性が気に入ったので許すことにした。
俺は「しょーもな」と大声で叫び、「次は俺を殺す積もりで何人かで同時に来い」と宮下の耳を引っ張る。
「俺が武道やってるのは喧嘩のためだ。今度俺を殺し損なったら、1人ずつ腕をへし折ってやる」そう言って宮下の小指を握り、折れる寸前まで力を入れ、宮下に恐怖の叫びをあげさせておいた。
「喧嘩をしたときは中途半端でやめるな。相手が仕返しをあきらめるまで叩きのめせ」
俺が通っている道場の先生は、いつもそう言っていた。
その教えに従うなら指を折らなかったのは、『甘い』ということになるのだろうけど、どうせ正面切っての喧嘩なんかしたことが無い奴らだろうから、あれだけ脅しとけば充分な筈だし、『甘い』は俺の優しさとして理解されるだろう。
そう思っていたのに、その日のうちに『危険人物』という冠詞がつけられて学校中に知れ渡ってしまった。
宮下に警告を与え、更に半歩間合いを詰める。
「ほれ」
左をチラ見する。
奴は俺が何を見たのだろうと、同じ方に目を向ける。
その瞬間俺はそいつの股間を全力で蹴り上げた。
悲鳴を上げて悶絶したそいつはそのままに、俺は宮下と言われた奴の耳を掴み、起き上がらせると、俺を襲った訳を訊いた。
「リホの胸を掴んで恥をかかせたから仕返しをしてやろうと思った」という。
宮下は俺を力で抑えて自分の下につけ、千鶴との距離を縮めようとする意図もあったようだ。
「折角胸を大きくする方法教えてやったのに」
まあそんなことだとは思っていたが、リホの頼みでは無く、リホの仇をとろうと思ったという根性が気に入ったので許すことにした。
俺は「しょーもな」と大声で叫び、「次は俺を殺す積もりで何人かで同時に来い」と宮下の耳を引っ張る。
「俺が武道やってるのは喧嘩のためだ。今度俺を殺し損なったら、1人ずつ腕をへし折ってやる」そう言って宮下の小指を握り、折れる寸前まで力を入れ、宮下に恐怖の叫びをあげさせておいた。
「喧嘩をしたときは中途半端でやめるな。相手が仕返しをあきらめるまで叩きのめせ」
俺が通っている道場の先生は、いつもそう言っていた。
その教えに従うなら指を折らなかったのは、『甘い』ということになるのだろうけど、どうせ正面切っての喧嘩なんかしたことが無い奴らだろうから、あれだけ脅しとけば充分な筈だし、『甘い』は俺の優しさとして理解されるだろう。
そう思っていたのに、その日のうちに『危険人物』という冠詞がつけられて学校中に知れ渡ってしまった。