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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第4章 オフィスメイド 二宮 由紀
 由紀は、青山の大きなアタッシュケースを受け取ると、両手で持ちながら、奥座敷に入り、青山を床の間の前の座卓に座らせると、脇に正座して、 「先ほど、料理屋から仕出しが届きましたが、直ぐに召し上がりますか。それとも、お風呂の準備も出来ていますが。」 と尋ねた。青山が、食事を先に、と言うと、由紀は割烹着を着けて、台所との間を行き来し、仕出し箱、お櫃などをかいがいしく運んだ。座卓に、鯛のお造りや、銀杏と海老の真薯の揚げ物、初物の松茸の茶碗蒸しなど、秋らしい京風の皿々が並んだ。最後に、 青山が好むスコッチのロイヤル・サルートのボトルと、オンザロックの用意を載せたトレイが脇に置かれた。

 由紀は、仕出し箱に残した自分の皿のうち、お造りの皿だけを取り出して、座卓の横端に置き、脇に座ろうとすると、青山は、 「いいから、こちらに来て、一緒にいただこう。お客さんとの会食じゃないから、気を遣わなくていいよ。」 と言って、由紀を自分の方に手招きし、残りの皿も一緒に並べさせた。由紀は、少し斜めを向いて、青山と膝が当たる格好で正座し、オンザロックのグラスを差し出しながら、 「すみません。ご相伴させていただきます。」 と言って、手ぬぐいを膝に乗せ、箸に手をつけた。
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