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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第5章 オフィスメイド 関口 美穂

美穂は、泣き顔を笑顔に作り変えて、少し鼻をすすって照れくさそうにしながら、 「久松様。私、何だかフワフワした気持ちのままですけど、この後は、いつも通りにご奉仕させていただいてよろしいですか。」 と言うと、久松は笑いながら、 「僕もそうだよ。今日は特別な日になったけど、いつものように、ゆっくり過ごそうね。まず、お風呂にしよう。」 と言って、美穂を抱きしめていた腕をほどいた。
美穂は、 「はい分かりました。後で参りますから、バスタブでリラックスしていて下さい。」 と言うと、足早にベッドルームに入り、バスルームでお湯張りの蛇口を開けてから、リビングに戻って、食事の後片付けを始めた。テーブルを丁寧に拭いて、ワゴンを廊下に出した後、部屋隅に置いたままにしてあったトートバックを抱えて、再び、ベッドルームに入った。洗面台の前で、服を脱ぎ、ポニーテールをほどいて髪を巻き上げてから、涙の跡が残ったままだった化粧を落とした。そして、バスルームのドアを少し開けて、中を覗いた。
久松は、バスタブで脚を伸ばし、縁に頭を載せて、天井を見つめていたが、ドアの開く気配に、振り向いた。ドアの外に美穂が佇むのを見止めると、 「どうしたの。入っておいでよ。」 と、声を掛けた。美穂は、ドアから顔だけを入れて、 「今ね、私はこの方の妻になるんだと、自分に言い聞かせていたんです。でも、なかなかハウスメイドから頭が切り替わらなくて。私、どう振る舞ったらいいか、分からないんです。まだしばらくは、<久松様>ってお呼びしていいですか。」 と、真顔で答えた。

