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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第5章 オフィスメイド 関口 美穂

昼食会が終わると、久松と美穂は、夙川の高級住宅街に佇む自宅に入った。カトリック夙川教会に近い敷地には、以前は、久松の曽祖父が、昭和初期に建築した屋敷があった。1階はレンガタイル貼り、2階は黒の木組みに白壁が美しい、チューダー様式の洋館だったが、父親の代に、阪神淡路大震災で大破したため、元々の風情を残しながら、小さく建て直していた。
その1階の、静けさの漂うリビングルームで、久松と美穂はソファーに並んで寄り添い、茜色の夕焼けと、翳っていく庭を眺めていた。やがて、美穂が、潤んだ目で久松を見つめながら、 「今日は、皆さんに喜んでいただけて、嬉しかったです。このお家に入ると、久松様の妻になったという、実感が湧いてきます。」 というと、久松は、微笑みながら、 「僕も、この家で美穂さんと一緒に過ごせると思うと、気持ちが落ち着いてくるよ。」 と言って、やさしくキスをした。

