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第1章 土井社長　～　神戸国際投資顧問会社の秘密

　由紀が、西島の胸元でネクタイを結び始め、二人の顔が近くに寄った。西島が由紀のアゴに手を添えると、彼女は静かに目を閉じ、自然に唇が重ねられた。西島は由紀の腰に両手を回して、優しく抱きしめ、耳元で「次はもっとゆっくり会えるように、土井社長にお願いしてみよう。」とささやいた。由紀は、西島の目を見つめ、その胸に手のひらを当てて、「楽しみにお待ちしています。」と言ってから、はにかんだように目を伏せた。

　由紀は、玄関の車寄せの外に立って、西島の車が門を出て見えなくなるまで、深くお辞儀をして見送った。