この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第3章 オフィスメイド 森本 沙織

1週間後、池田と沙織が搭乗したエールフランスのパリ行き直行便は、昼過ぎに関西空港を離陸した。池田は生成りリネンの半袖シャツと紺色パンツ、沙織は淡黄色コットンニットの膝上丈の半袖ワンピースという、カジュアルな夏の装いで、ラ・プルミエ(ファーストクラス)で横並びに着席した。ラ・プルミエの座席は、窓際に1席ずつと、中央に2席並びの4席だけで、二人が着席した中央2席は、通路側のカーテンを閉め、座席を区切るパーテーションを開けると、ツインのプライベートな空間となる。
離陸後は、ラ・プルミエの特長でもある、フランスの三ツ星レストランシェフ監修のコース料理が提供される。池田と沙織は、パーテーションを開けて、専任CAも交えて楽しく会話しながら、料理やワインを選び、コースを堪能した。沙織が、 「キャビアを載せた海老の料理に、和風の香りがある。」 と言うと、CAが、 「日本便だから特別ということではなくて、最新のフランス料理では和風だしを使うのも流行で、ウマミ(旨み)は、フランス語でも通じる。」 などと、和やかな話題が続いた。

