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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第3章 オフィスメイド 森本 沙織

パリ到着の2時間ほど前になると、機内では軽食が提供される。池田と沙織も、身繕いを終えると、パーテーションを開け、話をはずませながら、料理を楽しんだ。沙織が、「私、トリュフ入りのオムレツなんて、初めてです。」などと屈託なく笑うのを、池田は目を細めて見ながら、自分も、チーズプレートから幾つかを選んで、CAのアドバイスをもらってワインを合わせたりしている間に、現地時間の夕刻に着陸した。
アイルランドの9月の気候は、日本の晩秋に近い。シャルルドゴール空港でのトランジットの間に、池田は、ブラウンの厚手ウールのジャケットとパンツに、沙織はベージュのウールニットのボディコンシャスなワンピースにそれぞれ着替えた。二人がダブリンのホテルに到着したのは、夜遅くだった。
ホテルは、中心部のメリオン・スクエアー・パークに面し、外観は19世紀の重厚な様式が保存されているが、内部は近代的に改装されている。二人がチェックインしたスイートルームには、重厚な8人掛けのダイニングテーブルや、黒革のソファーを置いたパーラールームを挟んで、2つのベッドルームがあった。

