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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第3章 オフィスメイド 森本 沙織
 「それはそれは。大事な交渉がうまくいくように、いつもの一杯でリラックスしてからお休み下さい。レディーは、何にされますか。」

 沙織が、 「フルーティーなカクテルで、お勧めのものを。」 と答えると、滑らかな手さばきで、池田にはアイリッシュウイスキーのレッド・ブレストのショットが、沙織にはテキーラ・サンライズが差し出された。沙織は、池田と老バーテンダーの目線の先にカクテルグラスを持ち上げてから、口をつけた。そして、池田に問いかけた。

 「バーテンダーさんが、池田さんのこと、ドクターって呼びましたよ。博士号をお持ちなんですね。」

 「昔、ここのトリニティ・カレッジに留学していてね。」

 バーテンダーが、にこやかな表情で話を挟んだ。 「ドクター・イケダが、お父様とこのバーに来られたのは、もう30年も前のことになりますね。お父様は立派な牧場を経営されて、競走馬の本場で獣医学の勉強をされている後継ぎ息子と、ショットグラスで一杯やるなんて、私どもとは身分が違いますが、眩しく感じましたよ。実はね、しがない仕事ですが、私にも後継ぎが出来ましてね。息子を紹介させてください。」 と言って、若いバーテンダーを見た。
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