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繋がり
第2章 兄と妹
ご飯を食べ終わって、私が部屋に戻るとドアのノックが鳴った
「……藍?ちょっといいか?」
蒼だ…
私は静かにドアを開ける
「なに?」
「入って、いいか?」
「………うん。汚いけど」
私がそう言うと蒼は楽しそうに笑って、わたしの部屋に足を踏み入れた
「……母さんたちが出掛けるのが土曜日か…今日は木曜日だから、明後日だな」
「うん」
「……俺、友達の家に泊まろうか?」
思ってもなかった言葉に思わず顔をあげるとすぐ上に蒼の顔があった
「………っ」
「………」
沈黙が流れる
綺麗な瞳とさらさらした黒髪。
蒼…綺麗だな
心臓がうるさい
そんなことを考えていると
「藍?」
蒼が私の頭を軽く叩いた
「え、あ………なんで?」
「…一応、血繋がってないだろ?…だから、二人きりは嫌かなって思ってさ」
「…嫌じゃないよ。それに………」
それに…
「ん?」
「……血は繋がってなくたって………兄妹だよ」
自分で言って虚しさに襲われる
そうだよ。
血は繋がってなくたって兄妹なんだ
わかってる。
わかってるけど…
私がうつむいてると蒼が私の頭を撫でた
「……そうだよな……兄妹なんだよな……」
そう微かに呟いた
「……蒼…?」
「なんで、泣きそうなんだよ……」
「…っ………泣いてなんてない」
私がそう言うと蒼は少し切なそうに顔を歪めて
ゆっくり私の顔を蒼の胸に引き寄せた
「……あ、おい?」
あの時と…同じ…
私が蒼のことを好きになったときと…同じだよ