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繋がり
第2章 兄と妹
蒼side
蒼は、私のこと…嫌い?
そう問いかけてきたときの藍の顔が離れない
「バカやろ…」
なんで藍を抱き締めたんだよ…
止められないことぐらい、わかってたはずだ。
藍の気持ちに確信は持てなかった。
高校入ってからなんて…もう望みなんて捨てた
だけど…
藍はもしかしてって気持ちが多少生まれていることは事実だった
藍が中3の時初めて、抱き締めたとき
あの日、俺の気持ちにわずかな希望が生まれた
だけど
ダメだと思った。
たとえ、両思いでも
辛い思いをするのは、俺じゃなくて…藍だ。
でも…
今日、気づいてしまった。
俺の中の気持ちの大きさと藍の気持ちに…
抱き締めて、そばにいるのは嫌だなんて…ただの都合のいいやつみたいだよな。
言い訳すら、聞いてもらえなかった
そばにいるのが嫌なのは…
嫌いなわけじゃない。
ただ、止まらなくなりそうなんだ…
藍を見ていたら
抱き締めたら
無理矢理にだって藍を自分のものにしてしまいそうで怖かった
いっそ、嫌われた方がいいのかもしれない
その方が、藍は普通の人生を歩むだろう
俺が隣にいることは許されないのかもしれない
「………藍…ごめん」
傷つけたよな。
そばにいちゃいけないのかもしれない
でも、好きだ。
「はぁ……」
藍の未来を壊すことになるかもしれないな