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繋がり
第3章 消えない過去
この温かさは出会った頃から変わらないね
初めて抱き締められたときも
男の人は怖かったはずなのに、蒼は怖くなかったんだよ
「………藍……ごめんな。お前に直接聞かないで、母さんに聞いちゃって」
しばらくして私を抱き締めながら蒼はそう呟いた
「ううん、大丈夫……いずれ、話さなきゃならないことだった……」
「…俺だけ、知らなかったのは悔しいな」
少し笑いながら蒼はそう言った
「………ごめんね。言えなくて」
「いいんだ。言わせるようなことじゃなかったよな…悪かった」
「蒼、謝りすぎだよ」
私も泣き笑いだった。
二人で屋上の片隅で抱き締めあう
なんだか
いけないことをしてるみたい
「あ、おい?……あの、いつまで…その…」
少し恥ずかしくなって私が問いかけると
「…………ん。もう少し」
蒼が少し力をいれて、顔を私の髪にすらせた
「………っ」
心臓の音、バレてるかな…
すごいうるさい。
「………でも、こんなとこ見られたら」
「藍は」
私の言葉を遮るように蒼が入ってきた
「ん?」
「……藍は………もし、変な噂たったら嫌か?」
え?
一瞬時が止まった。