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夢見る夢子
第8章 失われた能力

嬉しいことにサプライズもあった。

なんと、夢子に18歳も年下の弟が出来たのだ!


40半ばの妊娠に
ママは恥ずかしがって「誰にもいわないでよ」と
夢子に口止めしてきたけど
夢子にしても恥ずかしくて
口外できるはずもなかった。

ラブラブなのだから
愛の結晶が生まれるのは当然よねと思いながらも
「その歳で妊娠するぅ?」と
呆れながらも、実のところ弟か妹が産まれることを
一番望んでいたのは夢子だったかもしれない。

けれど、高年齢出産したものの
やはり育児は大変なようで
弟の面倒は
ほとんど夢子がしてあげることになった。

その日もベビーカーに弟を乗せて
スーパーに買い物に出かけていた。

いつもは外出をするとご機嫌な弟なのに
なぜかその日はご機嫌斜めで
ついにスーパーの売場で大泣きをし始めた。

「どうしちゃったのよぉ~…」

抱いてあげてもご機嫌斜めで
泣き止んでくれない。

「お腹が減っているんじゃないですか?」

泣き止まずに困っていると
スーパーのバイトの男の子が
たまらずに声をかけてきてくれた。

「そうかなぁ…」

「授乳室ありますよ
ご案内しましょうか?」

背の高い好青年だった。
バイトといえどもお店からの信頼も厚く
お客さんも彼を頼っていろいろ話しかけていた。
まるでスーパーのコンシェルジュといったところだ

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