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夢見る夢子
第8章 失われた能力

「僕、こういうとこ慣れてなくて…。
何かかっこわるかったらごめん」

そんなの気にすることないのに。
ママに対する挨拶も完璧だったわ。

そう言ってあげると
パァ~っと嬉しそうに笑顔を見せた。

亜土夢って本当にいい子だと夢子は思った。

「私も男の人を部屋に招くのは初めてだから
妙に緊張しちゃって…」

自分から誘っておいて説得力はないけど…


お互いに気恥しさを感じた。

亜土夢は夢子以上に照れているようで、
はたから見てもわかるくらいに
顔を真っ赤にしていた。

愛らしさに夢子の胸が高鳴った。

「かわいい」

思わず夢子はつぶやいた。

亜土夢の初々しい反応を見ているだけで
下腹部が疼いてしまう。

夢子は亜土夢の頬を優しく引き寄せ、
ちゅっと音を立てて触れるだけのキスをした。

少しだけ顔を離して様子をうかがうと、
亜土夢は真っ赤な顔のまま目を強くつむっていた。

夢子は小さく笑いをこぼして、
再び亜土夢に口づけた。

「僕、おねえちゃんの事を
忘れた事などなかったよ」

「私もよ…ずっと亜土夢に会いたいと思ってた」

今度は亜土夢から顔を近づけて
夢子にキスをした。

亜土夢は夢子の柔らかな唇の隙間から
舌を割り入れて絡ませる。

夢子はたどたどしくも、
その舌の動きに応えてゆく。

夢子は男らしく成長した亜土夢の胸元に
手を添えると、
その心臓は音でも聞こえそうなほどに
鼓動を刻んでいた。

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