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夢見る夢子
第5章 母の友人絵美子

そんなある日の事…

母の芙美子に珍しく来客が訪れた。

夢子が幼い頃から
何度も顔を見知ってる女性…

彼女にも夢子と同い年の男の子がいて
夢子が公園デビューした時に
何気なく挨拶を交わしてママ友になった
柊木絵美子さんだ。

夢子が幼稚園に入園するまでは
足繁くこの家を訪問してくれたが
絵美子さんのところの男の子と夢子が
別々の幼稚園にいくようになって
次第に疎遠になっていた。

そんな絵美子さんが10数年ぶりに
うちに遊びに来た。


「ごめんなさいね、
ついついご無沙汰してしまって…」

訪問時の挨拶は少々堅苦しかったが
夢子たちが幼稚園に入園するまでは
育児の相談や学資保険の件などで
ほぼ毎日のようにお出掛けしては
共に食事や3時のお茶を楽しみあった仲なので
すぐさま昔のように
ざっくばらんに話し合うようになった。

ここはひとつコーヒーとケーキをお出しして
夢子が年頃のいい女になったことを
アピールせねばと
張り切ってお茶のセットを持ってリビングにいくと
絵美子さんは顔にハンカチを押し当てて
シクシクと泣いていた。

母の芙美子は夢子がリビングに入ろうとするのを
夢子に向かってストップの合図だろうか
首をイヤイヤするように振りながら
手でシッシと来るなという意思表示をした。



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