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夢見る夢子
第6章 ナース 彩佳
看護士詰め所にナースコールが鳴る。
704号室の大久保健斗さんだ。
大久保さんは彩佳の担当なので
すかさずナースコールを受けた。
「どうされました?」
- トイレに行きたいんです -
『はあ~…まただ…』
彩佳の心のどんよりとしたものが大きくなる。
大久保さんは膝の手術を控えているが
糖尿で血糖値があまりにも高いために
血糖コントロールのために術前入院をしている。
「トイレですね、わかりました」
大久保さん、トイレの介助に行ってきます
ナース詰め所の面々に席を離れる事を告げ
小走りで704号室へと向かった。
部屋では大久保さんが
彩佳が来るのを今か今かと待ち構えていた。
「遅いよ!早く来てくれないと漏れちまう!」
「ごめんなさいね、
これでも急いで来たんですけど…」
「謝ってもらわなくてもいい!
とりあえずトイレに連れていってくれ!」
膝が悪いとはいえ、自力歩行が可能なんだから
一人で行ってくれればいいのに
「もし転けたら責任とれるのか!」と
トイレの度に彩佳を呼び出す。
それも本当にトイレがしたいときは
一人でさっさと行ってしまう。
彩佳を呼び出すのは
彼女の体を触りたいが為だった。