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夢見る夢子
第7章 少年A
看護士の彩佳が病室から出ていってすぐに
病室のドアをコンコンとノックする者がいた。
「はあ~い、どうぞ」
夢子は親友の真紀子が
心配してお見舞いにでも来てくれたのかと思った。
だが、ドアが開いて部屋に入ってきたのは
見知らぬ男の子だった。
「えっと…どちらさま?」
てっきり病室を間違えて部屋に入ってきたのだと思った。
その男の子は、この病院に入院しているのをアピールするかのように
病院が貸してくれる患者パジャマを着ていた。
「ぼく、お部屋間違えちゃったのかな?」
夢子は男の子に向かって優しく問いかけた。
「ガキ扱いすんなよ!
俺、こう見えても中学一年生だぞ」
その少年は、ずいぶん小柄だったので
夢子は小学生だとばかり思っていた。
「あら、ごめんなさい…
でも、女性の病室に入ってくるのってルール違反じゃないかしら」
「おねえちゃん、夕べは楽しんだんだよね」
「えっ?な、何のことかしら?」
「とぼけなくてもいいんだよ
俺も、自分の体を抜け出せるんだから」
夢子と同じように
この子も幽体離脱出来るのだというのか?
「証拠を見せてやるよ」
男の子はベッドの脇の椅子に座ると
ガクンと意識を失った。